はじめて、しましょ★ - 骸編 -
16ページ/全40ページ


「えと…ではハヤト。お昼を再開しましょうか」

「あ、はい…そういえばハヤ―――…わたしが食べた分だけ骸さんのお弁当減ってしまいましたね。わたしの分をどうぞです!!」

「おや。いいんですか?では遠慮なく…」


折角雲雀が頑張って二人の距離を離れさせたのにあっという間に戻ってしまった。報われない雲雀であった。


「…なるほど、これは美味しいですね。僕のお弁当では敵いません」

「そんなことないです!骸さんのお弁当もとっても美味しいです!」

「クフフ…嬉しいですね。あ、僕のからあげ食べてくれます?ちょっと自信作なんです」

「あ、はいっ」


ハヤトの返事を聞き入れてから、骸はそのからあげを箸で掴んで…


「はい、あーん」

「え、…へ?はわっ!?」


口元へ突き出されハヤトは流石に戸惑う。口を開ければいいのでしょうか?はうはうはう。


「あーん」

「え、あの…骸さん?」

「あーん」


骸は同じことを笑顔で繰り返すのみだ。ハヤトはおずおずと…


「あ、あ、ぁ、あーん…?」


口を開いて。そこに骸が一口サイズのからあげを入れる。もくもくもくもく。こくん。


「美味しいですか?」

「―――――美味しいです骸さん!これも骸さんがお作りに?すごいです!!」

「喜んで頂けたようで嬉しいですよハヤトくん」


にこにこと骸は笑っている。にこにこにこにこ。


「…えと、あの…骸さん?」

「はい。なんですか?」


にこにこにこにこ。


「……………」


にこにこにこにこ。


「あの…わたしも…ですか?」

「クフフ。そんな悪いですねぇ。催促した覚えはないのですけど」


催促した覚えはなくともその笑みは間違いなく確信犯のそれであった。


「えと…」


ハヤトはおずおずとタコさんウィンナー(無論雲雀作)を箸で掴んで。持ち上げる。


「む、骸さん…」

「はい」


返事はするが口は開けない。…言うしかないのだろうか。


「あ、あ、あの、あの、―――あー…」

「なにやってんだお前ら」

「はわ―――――!?」


突如乱入してきたリボーンの登場にハヤトは驚いて。お弁当を放り投げてしまった。


「おっと。危ないですねぇ」


お弁当は骸が無事キャッチ。転びかけたハヤトもリボーンが抱き寄せて阻止した。


「お前は一日何回転ぶ気なんだ」

「は、ぁう…すいませんすいませんリボーンさん!」

「まぁいいがな。…休憩時間は残り少ない。さっさと喰って午後に備えろ。いいな」

「は、はいリボーンさん!!」


リボーンが退出してハヤトの緊張が解ける。しかしそれも数秒で。


「は、お弁当です!あわわ、あと10分しかないですー!」

「クフフ。こわーいマネージャーさんですね。あ、はいどうぞハヤトくん。お弁当です」

「あ、ありがとうございます骸さんっ」


骸から弁当を受け取り慌てて食べ込むハヤト。しかしすぐに咽てしまう。


「ああ、少し落ち着きましょう。はい、お茶をどうぞ」

「ん、けほ、ああああ、けほ、ありがとうございますっ」


んくんくとお茶を飲み干して。またお弁当へと戻るハヤト。

俯いて。そして少し急ぎながらあむあむと箸を突くハヤトを見て骸は微笑んでいる。


「くっはー…!これが噂の天然癒し系アイドルハヤトですかー…!確かにこれは癒されますねー…!!」

「……………はぅ?」


ハヤトは小首を傾げながらもお弁当を口の中へと納めていった。