はじめて、しましょ★ - リボーン編 -
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「ね。…ハヤト知らない?」


一方その頃。

会社では雲雀がハヤトの行方を探していた。


「ん?オレは知らないが?」


雲雀が聞いたのはリボーン。しかしそのリボーンも知らないと来る。


「困ったね…アップルパイを焼いたから食べてもらおうと思ったのに」

「お前キャラ変わりすぎだろ」

「うるさいよ」


と、リボーンはなにやら睨みつけてくるような視線を感じて。振り向くとそこには睨みつけてくる雲雀がいて。


「…なんだ」

「別に」


そう言うが睨む視線は収まらない。むしろ口調にすら棘が含まれている。


「雲雀。言いたい事があるならはっきりと言え」

「これは僕がでしゃばっていい問題じゃないからね」


口ではそう言うがしかし納得はしていないというか。気持ちの整理がついていないといったところだろうか。


「…断るにしても。もうちょっと別の言い方があったんじゃない?」

「なんの話だ?」

「ハヤト」


それでリボーンの中で合点が行く。ああなるほどと相槌を打つ。


「確かに僕には関係がないかもしれないけど、でもさ…」

「関係なくはないだろ」


雲雀の言葉を遮りながらリボーンが言う。雲雀は少し驚いたようにリボーンを見て。


「…ありがと。少し救われたよ」

「落ち込むハヤトが見たくないって言うなら。お前が慰めてやればいいだろ」


そんなパイなんて作らずにもっと別の方法でとリボーンは言ってくる。しかしそんなこと出来るわけがないと雲雀。


「あのね。僕が出来ることなんて高が知れてるでしょ。僕じゃ彼女は救えない」

「そうか?お前なら出来るだろう」


リボーンの言葉に雲雀は少しばかり違和感を覚える。何故だか彼は自分の事を異常に過剰評価してないか?


「…一応確認しておくけど。今ってハヤトの話だよね?」


「そうだな」

「ハヤトが落ち込んでて。それを浮上させるのが出来るのはって話になってるよね?」

「なってるな」


よしよし。ここまでは理解出来る。分かった。問題はここからだ。


「じゃあ、更に一個確認なんだけど。…ハヤトが落ち込んだ原因は…」

「オレが現実を突きつけたからだ」

「…どんな風に?」


これを聞くのは雲雀としてはどちらかといえば遠慮したいのだがそれもままならない。我慢しよう。全てはハヤトのためだ。


「だから、お前が好きなのはオレじゃないだろうって」

「………ん?」


違和感。何かが違ってる気がする。何かが食い違っている気がする。なんだろう。ていうか。

…ハヤトが好きなのは彼じゃない?そうなのか?

雲雀は知っている。彼女の幼い、儚い、そして淡い心を。

その矛先はリボーンへと向けられている事を雲雀は理解していた。彼女はいつだってリボーンしか見ていなかったのだから。

…そんな彼女の想いが…違う?


「じゃあ…誰だって言うのさ。ハヤトが好きなのは」


雲雀の言葉に、リボーンは不思議そうにしながら。


「お前じゃないのか?」


なんて。真面目な顔で言ってきた。


……………。


時が、止まった。

いや、実際には止まってなんかない。リボーンはいつも通りだ。ただ雲雀の時が止まっていた。硬直状態というのだろうか。

どれほど―――どれほどそうしていたのだのうか。

雲雀の口が…動いた。


「ど、どどど…」

「ど?」


ど…どう繋がるのだろうか。どうして。どういうこと。どれが…とリボーンがぼんやりと考えていると。


「どういう神経しているのさキミは―――――!!!」


どかーんと。雲雀が爆発した。


「なんだ違うのか」

「違うも何も、あの子は僕のことを男としては見てないよ!?あの子が僕に恋愛感情なんて有り得ないよ!!!」

「言ってて悲しくならないのか?」


しかし、とリボーンは思う。雲雀でないのなら一体誰なのだろうかと。