はじめて、しましょ★ - リボーン編 -
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「…ちょっと待って。何。なんなの?なんの話?」

「クフフ。またまたそんなとぼけてしまって。今更隠してもなんの意味もありませんよ?」


クフフフフ。骸はいつもの三割り増しぐらいで笑っていた。何故だか雲雀は嫌な予感がした。


「いやー、あんなに熱烈な愛の告白。びっくりしてしまいましたよ」

「は?」


愛?告白?何のことだろう。雲雀は考える…が分からない。

その横でリボーンはやれやれとため息を吐いていた。彼には原因が分かっているらしい。


「でもまさか、貴方が男色家だとは知りませんでしたよ」


てっきりハヤトが好きだと思い込んでいたんですけど、と言う骸に雲雀は絶句していた。


「…だから待って。男色家って…この僕が?」


ありえないと呟く雲雀。自分にその気はないと。


「もー、そんな言い訳なんて通用しないんですよ?さっきあんなに大声で言ってたじゃないですか」


大声で。言ってた。雲雀は少しだけ過去を回想する。



キミのことが、好きだからに決まってるだろ!!!



あれか―――――!!!

しまった。確かにあれだけだと誰が誰に対して言っているのか不鮮明だ。しまった。不覚だ。


「ち、ちが…あれはっリボーンも何か言って!!」


「雲雀…悪いが、お前の気持ちには応えられない」

「何泥沼化させてるのー!!」


あああああもうどうすればいいのか。ていうかリボーンは何面白いからって事態を悪化させているのか!


「あーあ、振られちゃいましたね」

「うるさいよ!!」

「悪いな雲雀。オレの好きな奴は―――…」


と、不自然な所で言葉を区切るリボーン。見ると彼は何かに気付いたかのような顔をしていて。けれどどこかぼんやりしたような顔をしていて。


「…?どうしたのさ」

「いや――――…な。今オレの好きな奴はいないって言おうと思ったんだが、そしたらハヤトの顔が出てきた」

「は?」

「なんでだ?」


疑問。そこにあるのはただそれだけ。

雲雀は思わず頭を抱える。それしか出来ない。ていうかもう、どうしよう。


「え…これって言うの?言うべきなの?言っていいの?ねぇ」

「クフフ…これはとんだ大穴でしたね。…ただ単に興味がないのかと思ったらただ気付いていないだけとは…」

「なんの話だ?」


…ああ、これが天下のリボーンなのだろうか。やることなすこと天下一品。行動は全てパーフェクト。無駄が無く隙も無い。まさに超人。まさに天才。そのリボーンが。


「…え。なにこれ僕が言うの?何今回の僕の役回り。不憫過ぎない?」

「クフフ。確かにそうかもしれないですが自分で言うのはどうかと思いますよ?」


ため息。雲雀はため息を吐く。それは重くて深いため息。そして顔を上げて雲雀はリボーンを睨む。恨みとか辛みとか色んなものが詰まった睨みだった。


「よかったね。両想いだよおめでとう」

「あ?」

「いいからさっさとハヤトの所へ行けば?そうして謝って、あと抱きしめてあげるといい」


雲雀はそれだけ言うと早く行けといわんばかりにリボーンを部屋から追い出した。リボーンの抗議も聞き入れない。


「おい、一体なんの話だ。あと両想いって何のことだ」

「だからうるさいって。…ああもうなんだかハヤトが可哀相になってきた。あの子が一番不憫で報われないよ!なんで、こんな奴…!!」


取り付く島もない。やれやれ、まぁまずはハヤトのところへ行くことにしよう。リボーンは走り出した。

―――そういえば…今日はハヤトもだが、一度もツナの顔を見ていないなと思いながら。