後日談
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雲雀と骸が戦闘を繰り広げている頃。

自分の部屋が大変なことになってる事になんて気付きもせず。獄寺は歩き続けている。

けれどその足取りはおぼつかない。

先程…骸が作り出したリボーンを撃ったショックが今更ながらに現れたらしい。


出来ることなら。今すぐにでもリボーンの下に旅立ちたい。


彼のいない世界で生き続けたくは無い。それが…獄寺の願いで。本音だった。

けれど。それをしないのは。


…獄寺。


最後の最後に聞いた、彼の声。

弾丸をその身に浴びながら。身体が弾け飛んで削れながら。それでも彼は言葉を放った。

痛いだろうに。苦しいだろうに。辛いだろうになのに彼はそんな表情をおくびにも出さずに獄寺の眼をまっすぐに見て。


お前は。まだこっちには来るなよな。


それが。最後に聞いた彼の声。

それが。最後に聞いた彼の願い。


叶えたかった。


彼の為に、叶えてあげたかった。

だけれど、それは思ったよりも困難で。


今にも心が折れてしまいそう。


…リボーンの遺体は、既に冷たい土の下に埋まってる。

獄寺はまだ墓参りにすら行けてない。

今行ったら。本当に心が壊れてしまいそうだから。


「…リボーン、さん…」


思わず小さく呟かれた言葉に応えてくれる人はもういない。

彼が恋人の死を自覚できるまで、あと何日?


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自覚したくない。けれど自覚しなければいけない。彼のために。