後日談
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リボーンが死んだ。


意識が回復した獄寺は誰に聞かせられるまでもなくその事を認識していた。

だって。そう。生きているわけがない。

あの銃弾の雨の中…自分なんかを庇ったのだから。

あの戦場。間近で彼の肉の抉れる音が。

骨が砕ける感触が。


消えて行くぬくもりが。


はっきりと…判ったのだから。

威力の強い弾丸は彼の肉体をも貫き。自身にまで届いていた。


…嗚呼、どうせなら心の臓にまで届けば良かったのに。


そう嘆いても、事実は変わらない。

彼は死んで、自分は生き残った。

彼はもういない。どこにもいない。


自室に置いてあった彼の帽子が、唯一の忘れ形見。

それは二度と返せない彼の忘れ物。


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それは誰にも手に取られることはなく、ただ埃が積もるのみ。