後日談
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万々歳。

僕の心境はそんな感じでした。


アルコバレーノは苦しんで死んだみたいですし、落ち込んでいる隼人くんも僕好みです。

なんて良い気分でしょう。きっと僕の善行を神様が見ていてくれたに違いないですね。クハハハハ。

心の拠り所、憩いの場所を失い…胸に穴の開いたような感傷を抱いているであろう隼人くん。

きっと穴を埋めるように"代わり"を求めているに違いないですね。

ならば僕がその代わりになりましょう。もし否定をするならアルコバレーノの幻覚を見せるのも手ですね。そうすればきっと堕ちてくれます。


嗚呼、楽しみです楽しみです。なんて言ったって隼人くんが僕の物になるのはもうすぐなのですから!


嬉々として隼人くんの自室のドアを開けると、隼人くんは机に突っ伏していました。

覗き込んでみればその目蓋は堅く重く閉じられていて。…連日の疲れが溜まっているようですね。


頑張り屋さんですからねぇ隼人くんは。


起こすのも可哀想ですから、毛布でもかけてあげましょうか。

そう思って、隼人くんに背を向けると…彼の口から。小さな寝言が。


「…リボーン、さん…」


おや…おやおやおや。

まったく。隼人くん泣いてるじゃないですか。死してなお隼人くんの心にいるなんて。ゆるせませんね。

…隼人くん。隼人くんどうか。

あんな呪われた奴よりも、僕を見て下さい。


飛び切り良い夢を見させて上げますから。どうか僕を。


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僕に溺れて下さいよ、隼人くん。