後日談
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獄寺はじっと骸の方を見ている。

骸は笑いながら獄寺を見ている。

雲雀はそんな二人の様子を見ている。


いけない。雲雀はそう思った。


きっと…恐らく。絶対。骸は幻影を使った。

獄寺が今見ている骸は…獄寺の見えている骸は。別の人間。


…今は亡き最愛の人なのだろう。


心身ともに弱まっている獄寺が、果たして抗えるだろうか。

すっと。骸が獄寺に手を差し出す。

獄寺にはリボーンが手を出しているように見えているのかもしれない。

止めさせようと、雲雀が動こうとする。

だって。このあと待っているのは悲劇だ。

獄寺がリボーンだと思って骸の手を取ったなら。間違いなく彼は後悔する。

リボーンを裏切ってしまったと。後悔する。

だから止めさせないと。骸が無理なら獄寺を吹き飛ばしてでも止めさせないと。

けれど雲雀がそう思い、行動するよりも先に。

獄寺が懐に手を伸ばし。

取り出した黒の凶器で。

骸を撃った。


獄寺は笑顔だった。


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彼は幻影に惑わされない。