後日談
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「…クフフ。振られてしまいましたねぇ」

「うるさいよ。キミなんか撃たれたくせに」

「何を仰いますか。これこそ隼人くんの愛ですよ。それが分からないなんて雲雀くんもまだまだですねぇ」

「…あれが隼人の愛って言うなら。避けたキミは隼人の想いを否定したってことじゃないの?」

「おや。これは一本取られましたねぇ」


クハハハハと骸が笑っている。雲雀はそれが気に食わないというように骸を睨みつける。


「そう睨まないで下さいよ。どうしてそんなに僕を毛嫌いするんですか?」

飄々とした態度のまま言ってくる骸に、雲雀は淡々と――…答えた。


「――彼が死んだの。キミも一枚噛んでるんでしょ?」


…一瞬だけ。時が止まった。

「…ククク…クハハハハハ!面白い事を言いますねぇ雲雀くん!!」

骸は笑い出した。否定はしなかった。肯定もしなかったが。

「キミにだけは隼人は任せられない。任せたくない。だから離れて。消えて。いなくなって」

「ククク…雲雀くんの言い分は分かりました…けど。別に僕が雲雀くんに従わなければいけない理由も義理も無いわけですからね。お断りです」


「そう」


手加減なし。躊躇なしで骸に攻撃が仕掛けられる。

骸はまたも軽々と避ける…が。雲雀が先読みしていたように一歩踏み込んできた。


「おや」


軽口を叩くと同時に吹き飛ぶ骸。それでも口元から笑みは消えなかった。

「さっきのは爪でも隠してたんですか?全く酷い人だ」

「隼人に当たりそうだったからだよ。それだけ」


このまま衝動に身を任せると、間違いなく部屋が倒潰するからと雲雀は獄寺の部屋から出て行った。

だったら最初から殴らなければ良いのにと思いながら、骸も部屋を出た。


途端にまた雲雀の攻撃が振ってきた。


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キミ、むかつくよ。