ハヤトメロディ
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しかし実際、リボーンはリボーンでハヤトを家にひとり置いていくのは心配だったので余計な不安要素が消えたのはありがたいことだった。

なんて言ったってあのハヤトだ。

一人にしておいたらなにがどうなってしまうのかまったくの不鮮明。

今時子供でも引っかからないような嘘も鵜呑みにし、街を歩けば三回は道を間違え、五回は転び、そして少しでも油断すれば車に轢かれそうになっている。

家に引き篭もっていたところで悪質な詐欺などにすぐ騙されるだろうし…

…本当。雲雀が付いてくれてよかった。

しみじみとそう思ったリボーンだった。


しかしそのおかげで自分の仕事が増えているが気にしてはいられない。

そもそも仕事そのものは嫌いでもないし、それにこれが終われば自分も休暇に入れる。


そう思い直し、リボーンが再び仕事に向き合うと―――


どさりと大きな音がした。

その方を見ると、リボーンの机に大量の書類が置かれていた。

置いたのはツナだ。…にこやかな笑みを浮かべている。


「…悪いんだけど…これもやってくれても、いいかな?」

「あのな…これはお前の仕事だろう。自分でやれ」

「まぁまぁそう言わず。…これが終わったら休暇に入ってもいいからさ」


ぴくりとリボーンが微かに身動ぎする。

リボーンは即座にこのまま自分と雲雀の仕事をして指定された日から休みに入るのと、この書類の山を片付けて休みに入るのとの差分を考えた。そして―――


「…分かった。特別にこの束もしてやろう」


承諾した。つまりはツナの仕事も片付けた方が早く休めるという答えが出たのだ。


「へぇ…やってくれるんだ。冗談半分で言ったのに」

「なんだ。休暇も冗談か?」

「いや…別にいいよ?精々頑張って」


言ってツナはその場を後にする。残されたのはリボーンと大量の書類の束のみ。

さてと。これを片付ければ休めるそうだ。つまりツナの顔を見なくて済むと。

途端にやる気が出た。


「たまには…本気も出すか」


呟いて、リボーンは仕事に取り掛かった。