彼の隣に立つ方法
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聞き慣れた銃声。

飛び散る赤。

嗅ぎ慣れた臭い。

倒れる…獄寺だったモノ。


「あ……」


オレは……何を……

オレは獄寺の隣にいると決めたのに。

オレだけは偽者を認めないと決めたのに。

それなのに、オレは―――



「リボーンさん!!」



声が聞こえ、誰かに抱き締められる。

見ればそこには獄寺が。


「一体何をしてるんですかあなたは!!」


怒鳴りつけられる。が、まったく耳に入らない。

何をしている?

決まっているじゃないか。獄寺の後を追うんだ。

だというのに獄寺はオレの手にした銃を無理やりむしり取る。


「リボーンさん、あいつはオレの偽者です!!あんな奴の後を追わないで下さい!!」

「は…?」


偽者?

あいつが?あの獄寺が?


「オレが本物です!リボーンさんが任務に発っている間にオレが起きて…あいつ廃棄処分が決定されて!それで自棄を起こしてリボーンさんを騙したんです!!」

「……………」


だが、そう言われも先ほどのあの光景が目に焼きついて離れない。

あの赤。あの臭い。…作り物とは思えない。


「信じられませんか?でしたら証拠を見せましょうか?」


そう言って、獄寺は自分の腕にナイフを突き刺した。獄寺の顔が苦悶の表情になり、脂汗が出る。

そして切れた腕からは血が。紛れもなく血が。血の臭いが。


「…ね?オレ、人間でしょう?作り物じゃないでしょう?あんなのよく出来た偽者です。オレが、オレが本物です!!」

「そうなのか……?」

「ええ、そうですとも。決まってるでしょう?ですから―――信じて下さい、リボーンさん」


オレのすぐ横には動かない獄寺が。

オレの目の前には血を流す獄寺が。


片方が本物。

片方が偽者。


片方はずっと眠り続けていた獄寺で。

片方はずっとオレの補佐をしていた獄寺。


…一体……どっちが本当の獄寺なんだ…?


「リボーンさん…お願いです。どうか、オレを…疑わないで…下さい……」


オレにはもう、見分けなど付かなくなっていたが…ただ目の前のこいつの流す涙と表情だけは真実だと分かった。

だからオレはこいつの涙を拭ってやって。


「………頼むから、泣くな。―――――獄寺」