彼の隣に立つ方法
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「リボーンさん、提案があります」

「なんだ?」


獄寺がそんなことを言ってきたのは、朝、獄寺がオレの部屋を訪れたときだった。

相も変わらずオレがうなされていることを知り―――オレの身体が冷え切っていることに顔をしかめて。そして話を切り出した。


「その………―――こ、今夜からですね……えと、その……い、一緒に眠りませんかかか!?」

「とりあえず落ち着け獄寺」


恐らく最初は純粋にオレを心配してくれて思い立ったのだろう。しかし言葉にするうち色々無駄に深読みしてしまい動転してしまったらしい。


「こ、この提案はオレはリボーンさんを心配してですね!べ、別にリボーンさんと一緒に眠るということはそそそそれ以上のことをするとかしないとかではなななななく!」

「分かってるから落ち着け」


とりあえずその赤い顔をどうにかしろ。意識しちゃうだろ。


「あと、それは駄目だ」

「ええ、駄目ですよね。では早速今夜から………え?駄目ですか!?」


獄寺はまさか断られるとは思ってなかったのか、ショックを隠しきれない顔で聞き返してきた。


「駄目だ」

「え…オレ、寝相良い方ですよ?」

「そういう問題じゃない」

「―――オレ、リボーンさんに嫌われてたんですね!?」

「違う。泣くな馬鹿」


色んな誤解を勝手に招きつつ涙目になってる獄寺をどうにか落ち着かせようとぽんぽんと頭を撫でる。


「そうじゃなくて……うなされるオレはたぶん格好悪いから、それを見られたくないだけだ」


言いつつなんだか照れてしまい、帽子を目深く被り直そうとして…寝起きで帽子を被ってないことに気付いて。仕方なしにぷいっと顔を背けた。

だというのに。


「なんだ。そんなことですか」


当の獄寺は全然気にしてなくて。にこやかな顔でそう切り替えしてきた。


「そんなこととはなんだ」

「そんなことはそんなことです。もう、そんなことで気に病まないで下さいよ」


…何回言う気だこいつ。


「オレ、気にしませんから」

「オレが気にするんだ」

「多少は格好悪いリボーンさんも見てみたいです」

「多少どころじゃないかも知れない。それこそ100年の恋も覚めるようなものかもな」

「それはそれで興味深いです」


興味持つな。


「もう、いいじゃないですか。恋人が恋人を心配して、一緒に寝ましょうって言ってるだけなんですから。リボーンさんがオレを嫌ってない限りは問題なしです」

「…はぁ、分かった分かった。でも一緒に寝るっつってもオレは10歳半ばの幼気な少年だからな。過剰な期待はするなよ」

「な、なななななななな何を言ってますかあなたはーーー!!!」


ええい背中をべしばし叩くな馬鹿野郎。痛いだろうが。