彼の隣に立つ方法
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………つーのは、建前でな。

え?

獄寺。すまない。先に謝っとく。

え?え?え?え?

本当にすまない。いや、マジで。なんならオレをぶん殴ってもいいぞ。

リ…リボーン、さん?

オレはだな、獄寺。

………?

あの人形を見たとき……オレは見惚れた。

え…

あれはあまりにもお前に似過ぎていた。あれが人間みたいに動いて、お前の声を出したら。オレが動く前の人形を知らなかったら…本物のお前が起きたんだ、と信じてしまいそうになるほど。

………。

だから、オレはあいつに関わらないようにと思った。見ないようにしようと思った。一度見ただけでそう思ったんだ。二度見たらどっちが本物か分からなくなる。そう思った。

………。

幻滅したか?

え……

オレは所詮、そんな奴だったんだ。オレだって周りのことをとやかく言えない。あいつをお前の代わりにしようと思えば、出来たんだ。

……でも、しなかったじゃないですか。

あ?

でもあなたは…オレの所に来て下さっていたのでしょう?いつ目覚めるかも分からぬ…死ぬまで目覚めぬかも分からぬ、オレの所に。

…そうだな。

なら…いいです。

―――そして、あいつが完成した。そんで何の冗談かオレの補佐となりやがった。

四六時中いたんですか?

大体な。

………。

しかめっ面するな。オレだって辛かったんだ。

そうなんですか?

そうだとも。お前じゃない、でもお前と同じ奴がずっと傍にいるんだ。でもお前と同じように接したらお前の居場所がなくなる。だからわざと無視したり冷たくした。でも、そうするとあいつは酷く悲しそうにするんだ。そして隠そうとする。その仕草はお前と同じで、最初は混乱しかけたよ。

…そこまでオレだったんですか?

そこまでお前だったさ。オレ以外のお前の知り合いが立ち会って。癖やら仕草やら記憶やらなんやらを馬鹿みたいに追及してたからな。そりゃあ完璧だ。

………なんだか凄く複雑な気分なんですけど今。

そうだな。でも、そうして作られたあいつには何の罪もない。

…リボーンさん?

作り手の意図は何であれ、生まれたあいつには…何の罪もない。

随分とあいつの肩持つんですね。

あいつは、オレの罪だからな。

え?

お前を守れなかった、オレの罪だ。

そんなこと…

あるな。あの時オレがお前を守れてさえいれば、あいつは作られなかった。

………。

まぁ、そう思って認めたら、あいつ死んだけどな。

え―――…ああ、そう、でしたね…

ああ。あの日。あそこにいたあいつは…紛れもなく本物だった。

リボーンさん?

ああ、そうだな、すまない。本物はお前だな。だけどあの日…あの時死んだあいつも、オレは本物に見えるんだ。

……………。

嫌いになったか?

―――え…

本物と偽者の区別も付かないこんな奴。お前は嫌いになったか?

…そんなこと、言わないで下さいよ。

でもな、ごく―――


「言わないで下さいってば」