彼の隣に立つ方法
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そう言って、獄寺は部屋を出た。ドアをパタンと閉めて、気配が遠ざかる。
足音が消えて、オレは一つ。軽くため息を吐いた。
―――あいつが本物か偽者か確かめる方法?
そうだな。そんなの簡単だ。オレが一度覚悟を決めればそれでいい。
ああそうだ。そうだとも。オレが獄寺に嫌われるなりぶん殴られたり傷付ける覚悟を決めて聞けばいいんだ。「お前は本当に本物の獄寺なのか?」ってな。
そうすればさっき獄寺が言った通りだ。オレは読心術が使えるんだからあいつの心を読めばいい。
いくら偽者が本物そっくりに作られていたとしても、あいつは自分が偽者であること。作り物であることを自負していた。だから心の奥底では絶対に本物の獄寺と差異がある。
それがどれだけ些細なものであろうとも―――絶対に見抜く。オレにはそれだけの自信がある。
いや、あった。と言った方が正しいか。
―――あいつが本物か偽者か確かめる方法?
オレが読心術を使えばそれでいい?
そんなこと、出来るものならとっくにやっている。
…誰にも告げてはいないが…オレはあの日から。
読心術が、使えなくなっていた。
何故も何もあったものじゃない。
オレはあの日…恐らくあの時から。人の心が読めなくなった。
まぁ、今までの経験から大抵の思いは見抜けるが。
それでも前なら目の前にいる奴の心の声がそれこそ手に取るように見えるように分かった。それが今ではもう出来ない。
…仮に誰かが自分の形振りを構わず全てを捨ててでも、嘘を突き通そうとしたならば…オレはそれを見破る自信はもうない。
獄寺が死んで、こうなった。
読心術を使えばあいつが本物か偽者か分かるのに、それを確かめる前に使えなくなった。
―――そこから導き出される答えは………
答えが出るよりも前に、オレはそれ以上考えるのを止めた。
額の汗を袖口で拭う。ベッドに身を沈める。
目を瞑れば、いつものようにあの日死んだあいつがいて。あいつはオレに気付くと淡く微笑んで。
そしていつものようにオレの銃を自分の顔面に向けて、発砲した。
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お前は―――"どっち"だ?
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