標的167 その裏側
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…あれから走って走って走り回って…ようやくクロームを撒くことが出来た。
…色んな意味で危機を感じたぜ…あー…なんつか…あ、無理…
こてんと倒れる。フローリングの床が気持ち良い。
思わず眠ってしまいそうになるが…オレが意識を手放すよりも前に。
「………猫?」
ラル・ミルチが現れた。
ヤバイ。
今までの奴らもそうだが、たぶんこいつが一番ヤバイ。
「…ここはボンゴレの隠れアジトだぞ…?野良猫が紛れ込めるわけがない」
不味い。
そういえばそうだった。隠れアジトに見知れぬ物体…そりゃあ警戒するのも当然だ。
「…ミルフィオーレの遣いか…?」
違ぇ!オレはあんな奴らの遣いじゃねー!!
そうみーみーと抗議してやる。くそう、言いたいことが全く通じない。
「………」
ラルはオレに手を伸ばしたままで固まっていた。…どうした?こいつ。
「…お前」
ん?
「今からオレの部屋に連行する。拒否権はない」
いやいやいやいや。訳わかんねぇから。
なんか、先程までの硬い空気は霧散したが…別の空気が支配してるぞ。ここ。
「さぁオレの胸に飛び込んで来い!!」
誰が飛び込むか!!
オレはラルに背を向け走り出した。
「逃げるなにゃんこ!!」
にゃんこゆーな!!
て、いうか。やばい。
なんかもうオレ体力ない。ふらふらする。
よく考えたら朝から走りっぱなしじゃねーかオレ。
ていうか一番はクロームだと思うんだが。あれは怖かった。
このままだとオレ…ラルに捕まる?オレピンチ?
なんていうか、オレまだ死にたくねーよ!ていうかこんな事で死にたくねーよ!!
命って大事ですね10代目!オレやっと分かりました!シャマル!オレに命の尊さを教えてくれてありがとう!!
ぜひぜひしながら曲がり角に飛び込むと…また何かにぶつかった。
こてんとオレはそのまま倒れて。あー…後ろにはラルの気配。オレやばい。どうしよう。
ていうか…オレは一体なににぶつかったんだ…って。
「………」
あ…
オレがぶつかったのは…リボーンさんだった。
あーすいませんごめんなさいリボーンさん…知らなかったとはいえオレリボーンさんに体当たりしてしまいました…。
「いや、構わないが…一体なにしてんだ?獄寺」
何って…オレにもよく。って、え?
「?」
リボーンさん…オレが分かるんですか!?
「まぁ」
す、すごいです!流石ですリボーンさん!!
「そうか」
「待てやにゃんこー!!」
ってうわラルのこと忘れてた!!
に、逃げ、ないとって…げ。なんか、力入らないんだけど!?
「なんだ獄寺。そんな姿であいつに会ったのか?あいつはああ見えて小動物系が大好きなんだぞ」
いや、そんな豆知識はどうでも良いですから!ていうか、どうしよう…マジで力が…
困り果てて少し上を見上げると、そこにはいつもと変わらない…変わってるのはオレだからな…。リボーンさんの姿が。
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