午前五時
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どれほどの、時間が経ったのか。

気が付けば、何も聞こえなくなっていた。

ぎこちない身体をなんとか動かし、ポケットから顔を出してリボーンさんを見上げる。

リボーンさんは険しい目をしていて、怖い顔をしていた。

とてもではないが声を掛けれる雰囲気ではなく、オレが逡巡しているとリボーンさんの方からオレに気付いて声を掛けてくれた。


「ああ、すまない獄寺。驚かせたか?」

「ええと…」


オレがなんと言うべきか迷っていると、リボーンさんがまた険しい表情をしてあらぬ方角を睨んだ。

そしてまた、一際大きな、乾いた音。

オレの世界が、大きく揺れた。

世界が崩れる。世界が倒れる。オレの身体に衝撃が走り、オレは意識を失った。