午前五時
9ページ/全11ページ
身が切れるほど鋭く。息が凍るほど冷たく。
リボーンさんの雰囲気も変わる。あの、仕事の時の雰囲気だ。
「リボーンさん…」
「黙ってろ」
短く放たれる言葉。
その、声の鋭さに、冷たさに。身体が切り刻まれそう。
気付けば辺りに感じる、僅かな気配。そいつらから刺すような視線を感じる。
まるで異世界に迷い込んだ気分。先程までの時間が嘘のよう。
リボーンさんが身を低くして走り出す。同時に大きな乾いた音がして、リボーンさんがいた場所を小さく抉った。
リボーンさんもいつの間にか黒い何かを手にしていた。それから目にも止まらぬ速さで何かが発射される。
誰かの悲鳴。消える気配。
何かが倒れる音。地面を伝い、流れてくる赤い液体。
破裂音。倒れる音。破裂音。抉れる音。破裂音。血の臭い。破裂音破裂音破裂音―――
次
前
戻