午前五時
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身が切れるほど鋭く。息が凍るほど冷たく。

リボーンさんの雰囲気も変わる。あの、仕事の時の雰囲気だ。


「リボーンさん…」

「黙ってろ」


短く放たれる言葉。

その、声の鋭さに、冷たさに。身体が切り刻まれそう。


気付けば辺りに感じる、僅かな気配。そいつらから刺すような視線を感じる。

まるで異世界に迷い込んだ気分。先程までの時間が嘘のよう。

リボーンさんが身を低くして走り出す。同時に大きな乾いた音がして、リボーンさんがいた場所を小さく抉った。

リボーンさんもいつの間にか黒い何かを手にしていた。それから目にも止まらぬ速さで何かが発射される。


誰かの悲鳴。消える気配。


何かが倒れる音。地面を伝い、流れてくる赤い液体。

破裂音。倒れる音。破裂音。抉れる音。破裂音。血の臭い。破裂音破裂音破裂音―――