6月の花嫁
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控え室に戻ってきた。
「………はぁー」
思わず溜め息を吐いてしまう。一体何が起こっているのか、未だに理解出来ていない。
「大変だったみたいだね」
「ああ…目が覚めたらいきなりこんな格好で、10代目が来て…って、えっ!?」
誰もいないはずの控え室に聞こえてきた聞き覚えのある声。
その声に、いきなり押し倒された。
「な、あっ!?雲雀…っ!?」
「綱吉も結構酷いことするよねー…僕たちに危険な任務押し付けておいて、自分はお楽しみだなんて」
そういう雲雀は楽しそうに笑いながら言っているが―――目は決して笑っていない。
「ひ、雲雀…落ち着け?」
「落ち着いているよ?…これから、どうキミを式に出させない格好にするか、考えているからね」
こ、こえ―――!!
「ぎゃ――!!じ、10代目ー!!」
「隼人っ!!」
オレの叫びに颯爽と現れたのは…
「…なんだ。キミか」
「は、跳ね馬…」
現れたのはキャッバローネ10代目こと、跳ね馬のディーノだった。
「…獄寺から離れろ」
「嫌だね。僕だってずっと彼を狙っていたのだから。…キミよりもずっと、前からね」
二人の間に、見えない火花が舞い踊る。
―――パァンッ!!
その沈黙を、銃声が打ち破った。…扉ごと。
「獄寺くん!無事っ!?」
今度こそ、現れたのは10代目だった。余程慌てているのか、呼び名が戻っていた。
「じ、10代目…」
10代目はオレの姿を確認すると、その表情を険しくさせた。
「…雲雀。オレの獄寺くんから離れろ」
「嫌だって。言ってるでしょ?僕は彼を諦めたわけじゃないし?」
くすくすと笑いながら言う雲雀。……正直、怖い。
「あーもー。獄寺くんが怖がってる。可哀相に…でも。オレだってここまで来たら引けないから」
そう言うと。10代目は懐から何かスイッチのようなものを取り出して。
かちりと。押した。
控え室が爆発した。
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