恋愛CHU☆
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某月某日、某所にて。


「わぁお!キミがあの有名アイドルハヤトちゃん?生の方が可愛いねー」

「あ、初めましてー…。はい、ハヤトはハヤトです!よろしくお願いしますね!」


ぺっかーと満面の笑みでドラマ仲間と挨拶をしていくハヤト。

今日はハヤトが主演している大人気連続ドラマの続編の初撮影。場所も深い森の中で、初めて来る場所だ。


「ハヤト。あまり遠くに行くなよ。迷子になったら探すのが手間だ」

「あ、はーい!分かってますよリボーンさんー!!」


ぶんぶんとハヤトはマネージャーであるリボーンに手を振る。リボーンはリボーンで、監督や脚本家との打ち合わせで忙しそうだ。


「…あの人ハヤトちゃんのマネ?こわそー。大丈夫?泣かされたりしてない?」

「あはははは。もう数え切れないぐらい泣かされちゃいましたよ〜」

「うっそー!こんなに可愛い子を泣かせるなんてマジあいつ鬼畜ー。信じられない。うう、ハヤトちゃん可哀想…」

「リボーンさんを悪く言わないで下さい。リボーンさんには本当にお世話になっていて…それにリボーンさんの行動は全部全部、ハヤトの為なんですから!!」

「うう、本当にいい子だハヤトちゃん…噂に聞いていた通りだね!いい子なハヤトちゃんにはこれあげちゃう!!」

「わ…わー!マシュマロです!ありがとうございます!!」

「あ、もーいたいた白蘭さん!急にいなくなったと思ったらこんな所にいたんですね!!」

「あ。正ちゃんだ。ハヤトちゃん紹介するね。これ僕のマネの正ちゃん」

「初めまして!ハヤトはハヤトって言います!!」

「え…ハヤトって、あのハヤト!?わ、僕ファンなんです!その、よければ握手とサインを…」

「お安い御用ですよー!」

「…正ちゃんて、意外にミーハーなんだ…」

「何言ってるんですか白蘭様!癒し系・娘にしたい系・箱入り娘系・年下系・ロリ系・ペットにしたい系などなどそっち系人気投票連続トップのアイドルハヤトですよ!?」

「…今、なんか聞き逃せない部分があったような…。ペット?」

「とにかく!お会い出来て光栄ですハヤトさん。あ、新作買いましたよ!!」

「はぅ!嬉しいです、ありがとうございますー!!」

「いつもながら歌詞がすごかったですね…あれを考えてるのはハヤトさんなんですか?」

「いいえー、社長ですー」

「………社長?社長って…あのボンゴレプロダクションを立ち上げた沢田綱吉しゃ…」


ぴろぴろぴ〜ろ〜り〜ん♪


「あ!ご、ごめんなさい…電話が掛かってきてしまいました…」

「あ、はいどうぞお気になさらず」

「えーと…もしもし?え?社長?」

『ハヤト!携帯ついに一人で出れるようになったんだね!!オレは感動した!!』

「いいえー。リボーンさんが「むしろこうすればいいんじゃね?」って言ってコールが鳴って10秒したら勝手に繋ぐようにしてくれました!」

『あー…なるほどそうか…確かにその方がいいかな…。まぁそれはいいや。ハヤト。今凄い嫌な予感がしたんだけど、オレの噂とかしてなかった?』

「はい!今まさに社長のお話してましたよ!!」

『どんな?』

「ハヤトの歌の作詞をしているのはしゃちょ…」


『ハヤト!!』


「はい?」

『オレが作詞してるってのは内緒だってあれほど言っておいたでしょー!!』

「ふぇ?そうでしたっけ?」

『そうなの!もう!恥ずかしいなぁ!!』

「ご、ごめんなさい社長…」

『…いや、恥ずかしいのは沢田でしょ』

「あれ?雲雀さん?」

『まったく毎度毎度…よくもまぁこんな歌詞を考え付けるものだね…何?「う〜ん、これはおも〜いおも〜い、恋愛病ですね〜」って、何。馬鹿じゃない?

『雲雀ー!!何勝手に入ってきてるのさ!ていうか見ないで!読み上げないで!!オレ恥ずかしくて死んじゃう!!!』

『こっちの電話に出ないのが悪いんでしょ?はぁ、そりゃあハヤトが歌うなら可愛いけどその歌詞を作ってるのがこんな奴なんて…』

『返してー!返して雲雀ー!!』

『こら雲雀ー!社長をいじめるなー!!』

『ってキミ!いつの間に!?』

『でかした!さぁそれを早くこっちに………』


ブツ、ツー、ツー、ツー…


「………」

「………」

「………」

「えーと………か、歌詞を作ってるのはうちの社長じゃなくて、社長さんという名前の方なんです!!」

「えっと、うん。はい。…分かりました、すいません」


ハヤトの電話から聞こえてくる声はかなり大きく辺りに響き渡ってのだが…白蘭のマネージャーである入江正一は大人だったので聞かなかったふりをしてくれた。