恋愛CHU☆
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「う"お"ぉおおおい…人の顔見て悲鳴を上げるなんて随分と失礼なんじゃないのかぁああああ?」
「き…きゅーきゅーきゅー…ごごごご、ごめんなさい…」
「カスが。お前がそんなんだからこのガキも怖がるんだよ」
「…どっちかってと、ボスの顔が怖かったと思うけど…傷だらけだし」
「ああ?んなわけねぇだろうが。このカスの目付きの悪さにびびったんだよ」
しかしその実は金髪の医師ことベルが放った一言通り、顔に傷らだけの医師…ザンザスの顔が怖かったからだったりする。
まぁ…、確かにザンザスの言うとおり、カスと散々罵られている医師、スクアーロの目付きの悪さもハヤトを怯えさせている一つの要因でもあるのだが。
それと…ハヤトが悲鳴を上げたのには、もう一つの理由があった。
「おら、とっとと済ませるぞ…そこに横になれ」
「き、きゅー!は、はい…」
がくがくと震えながら、指差された診察台の上に座って横になる。そして指図されるがままに口を開けた。
「チ…カスが」
(き、きゅぅぅうううう!?)
口の中を見られていきなりの暴言にハヤトはかなり泣きたくなった。ていうか既に涙目だった。
(リボーンさん…!酷いんです…!)
まさかこんな歯医者に連れてこなくてもいいじゃないですか!とハヤトは涙目で何度も思って何度も恨んだ。そうでもして気を誤魔化さないと恐怖で発狂しそうだった。
「カスが…カスがカスが」
(き、きゅー!!)
怖い顔でぶつぶつとカスがカスが言われてハヤトはこの恐怖の時間が早く終わりますように!と念じていた。
「ああん?…こっちの歯にも虫歯が出来かけているぞカスが…ったく、手間ぁ取らせやがって」
「しししっボスー!提案。その治療、オレに任せてくんない?」
「ああ?見習いのお前に何が出来るってんだ?引っ込んでろ、カスが」
「うしし、オレって王子なんだよー?王子に意見しないでよボス!」
なんで王子が歯医者の助手をやっているんだろう。
ハヤトにはそんなことを思うぐらいしか出来なかった。
「…ったく、仕方ないな…。じゃあやってみろ。ベル」
「あいよー!」
顔に傷らだけで怖い顔の医師が視界から消えたことで、ハヤトの精神的負担は大きく激減した。
代わりに現れたのは軽い感じの…前髪が隠れている青年だった。怖くない。よし、大丈夫だ。
ハヤトがそう思ったのも束の間…
「うっししし。使ってみたかったんだよね…!行け!ゴーラ・モスカ!!キミに決めた!!!」
『ギ…ガ…ピピピ』
「き、きゅーーー!?」
ベルが声を掛けて何かの装置に手を置くと、最初ハヤトが悲鳴を上げたもう一つの理由…巨大ロボットの置物がいきなり動き出したのだった。
「きゅ、きゅ、きゅ、きゅー!!何事ですかなんですか!?これはないです!流石のハヤトだってありえないって分かりますよ!!!」
「うっさいなー。いいから患者はねーてーる。ほらモスカ。束縛ー」
「きゅきゅー!!」
「はいモスカ。レーザーちりょー」
「きゅ…きゅきゅきゅきゅきゅきゅきゅーーー!!!」
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