恋愛CHU☆
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―――そして。そのドラマ撮影当日。
「はぁぁああああ…正ちゃん正ちゃん、ハヤトちゃん来るかなぁ…!」
「そりゃあ来ますよ。主演ですから」
「ねねねね、あのさ!僕の話…聞いてくれる?」
「はい?…まぁ、聞きますけど。なんでしょう」
「僕…ハヤトちゃんと結婚を前提としたお付き合いを申し込んでみようと思ってるんだ…」
「は?」
「あ!急な話で驚くのも無理ないと思うよ!?でも…さ、僕…ハヤトちゃんのこと…前会ったときに本当に好きになって…」
「………」
「もちろん最初はお友達からでも僕は全然構わないよ!?徐々に話を進めていくつもりさ!!うん…むしろそうしよう。最初はお友達から…」
「や…あの。白蘭さん」
「ん?」
「残念ですが…非常に残念ですが。それは無理です」
「え?無理って…どういう?」
「ハヤトさん既に結婚されてますから」
「は!?」
「この間ハヤトさんに声を掛けていたスーツの人がいたでしょう。あの人がハヤトさんの旦那さんですよ」
「え!?え!?…でも、あれはマネージャー…」
「ですから、マネージャー兼旦那さんです。ついでに三児の母でそろそろお孫さんも生まれるとか…」
「うそぉ!?何言ってるのさ正ちゃん!そんなことあるわけないじゃない!!!」
「あああもう白蘭さん!気持ちは分からないでもないですが現実を見て下さい!!」
「いや!信じない!!だってハヤトちゃんは永遠の14歳だもん!!14歳なんだもんあの子は!!」
「お疲れ様ですー!」
「あ!ハヤトちゃん!!ハヤトちゃんおはよう!!…あ、そういえばハヤトちゃん、この間のマシマロはどうだった?」
「はぅ…白蘭さん………マシュマロ…そういえば結局歯医者さんに行く切欠になったのはマシュマロさんでした…骸さん…やっぱり骸さんの言った通りなんですね…!?」
「え?へ?なに?何の話?」
「知りません!白蘭さんの酷い人ー!!」
「えぇぇえええええ!?せ、正ちゃん!どうしよう!!何の話もしてないのに振られた!!」
「あー…それが所詮白蘭さんって言うことでしょうかね」
「言うに事欠いてその発言!?酷くない!?正ちゃん酷くない!?ていうかハヤトちゃん!待ってー!!」
「白蘭さんー。ストーカーはしないで下さいねー」
「しないよ!!なに言ってるの正ちゃん!!ハヤトちゃーん!待って、話を聞いてハヤトちゃーん!!」
「ドラマの中で会いましょー!」
「うわお!聞いた正ちゃん!?前僕がハヤトちゃんに言ったのそのまま返してくれた!なんかどきどきするね!!」
「ドラマの中以外じゃ会いたくありませんっていう風にも聞こえますけどね」
「正ちゃーん!!!」
…この後。白蘭がハヤトに掛けられた疑惑を解くための必死の説得はドラマの撮影時間が終わるまで延々続いたらしい。
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お願い!分かってよハヤトちゃん!!
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