恋愛CHU☆
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「邪魔するぞ9代目」


店名が主の名とそのまま直結しているのだろうか。リボーンは店の中にいた気のよさそうなおじいちゃんにそう声を掛けた。


「いつもの。二つだ」


素っ気無くリボーンは言って、店の奥まで足を運んだ。9代目はそれがいつも通りなのか全然気にした風はなかった。

暫くして…リボーンとハヤトの下に湯気を漂わすお椀が運ばれてきた。もちろんお蕎麦だ。


「はぅう…おいしそうです…!!」

「ああ、美味いぞ」


そう言うリボーンの顔は心なしか本当に嬉しそうで。本当にこの店の蕎麦が好物なんだろうと思わせた。

リボーンは豪快に箸で掬い、大きな音を立てながら食べる。そして満足そうに頷いている。

それを見てハヤトも箸を取りお椀の中に伸ばした。

ハヤトは器用に箸で一本だけ掬い、ちるちるちる〜んと音を立てて食べた。そして目を輝かせる。


「はぅ…はぅはぅ!美味しいです!美味しいですよこのお蕎麦ー!!」

「………」

「はぅー!はぅはぅー!!」


ハヤトは更にお椀に箸を伸ばす。そしてやっぱり一本だけ救って口に運んだ。


ちるちるちる〜ん。

ちるちるちる〜ん。

ちるちるちるちるちるちるち…


「ええい、ハヤト!!」

「きゅー!?はははははい!?なんですかなんですか?」


ああ見えて、ハヤトにリボーンが怒ることはあまりない。

マネージャーとして、仕事で怒ることなら毎日だがこうしてプライベートの時間…夫と妻としての時に怒るということは本当にない。

なのでこうして怒鳴られたことはハヤトにとって大きなショックだった。


「その喰い方は何だ!違うだろ!蕎麦はもっとこう…一気にすくって一気に食え!!」

「え、え、え、えぇぇえええ!?」


まさかのリボーンの怒りの原因はハヤトのお蕎麦の食べ方にあった。これがいつも通りだったハヤトはかなり驚いた。


「でも…でもでも、ハヤトはいつもこうやって…」

「その喰い方だと美味くないだろ」

「お、美味しいですよ!?とってもとっても美味しいですよ!?」

「オレが美味そうに見えん」

「きゅー!!!」


というわけで、何故かプライベートにも拘らずリボーンのハヤト鬼指導が始まったのだった…