恋愛CHU☆
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「ここが今日お泊りするホテルですか!」
「ああ、そうだ」
「はぅうーえっと、らぶほてる 学園パラ…んんんんんーー!?」
ハヤトがホテルの名前を呼び上げようとすると、突然リボーンがハヤトの口を塞いできた。
「アイドルがそんな言葉を口にするな」
「き、きゅー!?な、なんですかどういうことですか…!?はぅ…帰ったら雲雀さんにき…」
「聞くな」
「きゅー!?」
きゅーきゅーと涙目になってるハヤトの手を引いて、リボーンは借りた一室へと向かった。
「…と、ハヤト。ここでちょっと待て」
「はい?」
リボーンは玄関の前でハヤトを置いて、先に部屋の中に入った。室内に置いてある大きなテレビにはラブホテル特有の、モザイクの掛かってある卑猥な映像が流れていた。
リボーンはテレビの映像を消してからハヤトを呼んだ。
「ハヤト。もう入ってもいいぞ」
「はーい」
てとてととハヤトはドアを開けて入ってきた。リボーンは荷物を置いて、ベッドに腰掛ける。
「ふー…」
どっと疲れが振ってきた。朝から車を走らせ、影でハヤトのフォロー。そして人目に付かないようにハヤトをここまで連れてきた。
「はぁ…」
疲れた。だけれど彼にとっての休息はもう暫く先なのだった。
「あ!そうだ!ハヤト今日見たいテレビがあったんでした!!」
ぴっと。ハヤトは先程リボーンがハヤトの為に消したテレビを付けてしまう。
「!?…チッ!!」
リボーンはスナイパー顔負けの速度でリモコンを手にし、床を転がりながら電源スイッチを押した。テレビ画面が付きそうになり…消える。
「き…きゅー!?なんですか!?何事ですか!?」
「…ハヤト。今日はテレビは諦めろ」
「え、え、えぇえええええ?」
ハヤトはいきなりのリボーンの要求に着いていけない。リボーンは今までこんな無茶なことは言ってこなかった。それだけの裏が影にあるのだが無論ハヤトが知る由もない。
「き…きゅー…テレビ…」
「雲雀が録画しててくれるだろう。(多分)戻ったら見ればいい」
「はぅ…きゅぅううう、分かりました…。今日はテレビは諦めます」
「ああ。そうしておけ」
「はい!…あ!リボーンさん小さな自販機があります!でもなんでしょうこれ…綺麗な色のが沢山です!えっと、すけるとんばい…んんんんんーーー!!!」
「 い い か ら お 前 は 黙 っ て ろ ! ! ! 」
「きゅ、きゅ、きゅ、きゅー!!!リボーンさん今日はおかしいです!どうしちゃったんですか!?」
「どうもしない」
「リボーンさんはどうもしないと言いつつ自販機を上着で隠さないです!!」
「つーかこれは自販機じゃねぇ」
「きゅー…きゅーきゅーきゅーきゅー!」
「鳴くな。…ああ、ほら。ハヤト」
「きゅ!なんですかなんですかー!ハヤトになんだって言うんですかリボーンさんー!!」
「ここはケーキサービスがあるみたいだぞ。どれでも好きなもん頼め」
「きゅ!ケーキ…ケーキですか!?はぅっはぅっ」
先程の不機嫌さは一体どこへやら。ハヤトは一気に機嫌を直した。
流石はリボーン。ハヤトのことなら何でも分かっていた。
「きゅー!きゅー!!ケーキです!!リボーンさんとケーキなんです!!」
「いや、オレは…」
「きゅー…リボーンさんと…ケーキ」
「はぁ…分かった分かった。オレも食う」
「きゅー!!」
この後、ハヤトはリボーンとのケーキの食べさせ合いをして。その頃にはすっかり機嫌を直していた。
「ほら、ハヤト風呂にでも入って来い。今日は疲れただろ」
「きゅー!はーいリボーンさん!!」
ハヤトがお風呂に行ってる間、リボーンはテレビのコンセントを抜いていた。万が一ハヤトが映像を見たらとんでもないことになる。
………いや、ハヤトはああ見えて子供ではない。結婚も出産も経験している…一人の大人の女なのだ。
が、それとこれとは全くの別問題だ。そう思ってリボーンはコンセントを抜いた。
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