あなたへ贈る偽りの日々
4ページ/全9ページ
- 患者 獄寺隼人の場合2 -
獄寺が飽きもせずに窓の外を見ていると…街の様子は少し変わってた。
遠目でも分かるほどの色鮮やかなイルミネーション。更に遠い向こうにはツリーも見えた。
ナターレの飾り付け。…少しずつ変わる景色を見るのは楽しかった。
「…リボーンさん」
「なんだ」
「その…あの……リボーンさんはナターレに何か予定…入って、ますか………?」
「ああ、入っているぞ」
「あ…そうですか…」
「………」
「………」
「…はぁ、」
「な、なんですか!?なんでため息吐きながら人の頭撫でますか!?」
「いや、お前があまりにも予想通りだったものでな」
「はい…?」
「そういうお前こそ、なんか予定はあるのか?」
「あ、いえ。何もないです。ナターレばかりは検査も検診も薬物投与もなしです。それでも予定を上げるなら精々吐血と意識混濁ぐらいです」
「そうか。意識混濁は耐えろ。…なんにしろ、ひとりということだな」
「………はい」
「じゃあ夜になったら来るからな」
「はい。…って、え?」
「オレの方の用事は夕方までに片付ける。だからお前のところには夜に行くぞ」
「え…あ、あ…―――はい!」
次
前
戻