あなたへ贈る偽りの日々
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- 患者 獄寺隼人の場合2 -


獄寺が飽きもせずに窓の外を見ていると…街の様子は少し変わってた。

遠目でも分かるほどの色鮮やかなイルミネーション。更に遠い向こうにはツリーも見えた。

ナターレの飾り付け。…少しずつ変わる景色を見るのは楽しかった。


「…リボーンさん」

「なんだ」

「その…あの……リボーンさんはナターレに何か予定…入って、ますか………?」

「ああ、入っているぞ」

「あ…そうですか…」

「………」

「………」

「…はぁ、」

「な、なんですか!?なんでため息吐きながら人の頭撫でますか!?」

「いや、お前があまりにも予想通りだったものでな」

「はい…?」

「そういうお前こそ、なんか予定はあるのか?」

「あ、いえ。何もないです。ナターレばかりは検査も検診も薬物投与もなしです。それでも予定を上げるなら精々吐血と意識混濁ぐらいです」

「そうか。意識混濁は耐えろ。…なんにしろ、ひとりということだな」

「………はい」

「じゃあ夜になったら来るからな」

「はい。…って、え?」

「オレの方の用事は夕方までに片付ける。だからお前のところには夜に行くぞ」

「え…あ、あ…―――はい!」