獄寺ハヤトの暴走
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ハヤトは現在人気絶頂中のアイドルだ。とりわけその癒し系スマイルに心洗われる人は多々いるという。

しかしその素顔をさらすのはアイドルの時だけ。それ以外のときはアイドルになる前から身に付けている分厚い眼鏡を使用していた。

ハヤトは現役の学生であったが、その眼鏡のおかげで誰もハヤトの事をトップアイドルと結びつける人はいない。

ただ…問題はハヤトはコンタクトにどうにも馴染めないらしく。付けている間はいつも目を擦ったり瞬きを繰り返したりと落ち着いていなかった。

どういうわけか厚い信頼を置いているリボーンが付け外しをするときにのみ、どうにか馴染めるらしくて。

だからアイドルハヤトの一日はリボーンにコンタクトを付けてもらうことから始まり。そして今のようにコンタクトを外してもらうことで幕を閉じる。


「えへへ。お疲れ様でした、リボーンさん」

「ああ。お前もな」


正確にはまだ二人は別れないのでその台詞を言うのには早いのだが、一先ず区切りというわけでコンタクトが外されると毎回この台詞は言われている。


「明日はステージで撮影だったな」

「あ…はい。ちょっと恥ずかしい…です」

「そういえばあの服を用意したのはツナだったな。…あの露出の多さはあいつの趣味か…?まったく」

「はぅ、ぴちぴちの衣装ですー。でも社長が用意する衣装っていつもサイズぴったりなんですよね。…なんででしょう?」


そんな雑談をしながら、このあと二人は迎えに来た雲雀の車に乗って寮へと戻った。