1ページ/全1ページ


任務によって一時日本を離れていたリボーン。

その任も終わり、イタリアから戻ってきた。

向こうでは雲一つない快晴だったが、海を跨いだこちらは雨だった。

と言っても土砂降りではない。小振りでもないが、まあ、濡れるだけで済む。

そう思い、歩き出す。

雨が、止んだ。


リボーンの、真上だけ。


何故か。

傘が、差し出されたからだ。

誰が。

目の前には、獄寺がいた。


「どうした、こんな所に」

「今日、この時間に戻ると聞いていたので…その、迎えに」


しかし、この場所を教えた覚えはない。

いや、あると言えばある。ずっと前に、話の流れでこの場所を言ったか。まさかそれを覚えていたのだろうか。


「不要でしたか?」

「いや、助かった」


言って、リボーンは獄寺の胸元に飛び込む。獄寺は片腕でキャッチする。


「リボーンさん?」

「こうしないと、お前が濡れる」

「オレは構いませんが…」

「オレがツナにどやされるんだ」


だから仕方ない、といった体でリボーンは獄寺の胸元に収まっている。

獄寺は困ったような、しかし嬉しいような、そんな顔をして。

雨の中、雨に濡れず、歩き出した。


++++++++++

これも一つの相合傘。