ある日のバレンタインデー
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リボーンちゃんは言葉の通りに受け取って幼稚園から出た。

さて、なら一体誰にあげよう。ルーチェにでもあげようかな?

そう思いながら歩いていると…向こうから見慣れた影が。

風の姿が。


「風」

「え?…リボーンちゃん?」

「具合はもういいのか?」

「あ、はい。すっかり…」

「よかった」


笑顔を向けるリボーンちゃん。

風の顔が赤くなったが、夕日のせいでリボーンちゃんには分からなかった。


「あ、あのリボーンちゃん、」


風が後ろ手に持っていた何かを出そうとする。

が、


「はい。風。これやる」

「え…?」


リボーンちゃんから差し出されたそれを見て、風の動きが止まった。

小さなハートのチョコレート。

市販のものではない、手作りのチョコレート。


「………」

「風?」

「え、あ、いいえ…ありがとうございます」


風は嬉しそうに…本当に嬉しそうに笑って、受け取った。