分岐点
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それから暫くは、獄寺と会うことはなかった。

あそこではない、別の場所に行ったのか…

それとも…病状が悪化して、また医務室に戻ったか?

たぶん、後者だろうな。


―――獄寺の姿が消えた日から、ツナに落ち着きがない。


何かに焦っていて、無理に時間を作ってでもどこかへ行こうとしている。

恐らく、獄寺のところだ。

何かに急かされるように、余裕なく仕事をこなしていくツナ。

…いつしか、そのフォローをするのがオレの役目になっていた。

事情を知らない者が見たら、オレがツナの右腕なのだと思うのだろう。


………右腕、か…。


それから更に暫くして。

ツナが幾分か落ち着いた。

そしてそれとほぼ同時に。

獄寺と会った。


―――いつもの、あの場所で。