獄寺くんの日常
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「あれ?獄寺くん?」

「10代目?」

「こんなとこで会うなんて珍しいね。どうしたの?オレはリボーンが頼んだ本を受け取りに来たんだけど」

「オレは……その、少しは自立しようと、料理の本を…」

「へぇーじゃあさ」

「…あら。二人ともどうしたの?」

「あ。母さん。ちょうどいいところに。ねぇ、獄寺くんが料理の勉強するんだって。母さんが教えてあげてよ」

「10代目?」

「ええ。もちろん大歓迎よ」

「え?でもそんな…」

「いいから!さ、早く帰らないとリボーンになんて言われるか…」

「さ、獄寺くん行きましょ?」

「あ…は、はい」


* * *


「……それで獄寺くん」

「はい?何でしょうお母様」

「どうしていきなり料理を?」

「えっ!?……で、ですから、その…」

「……ツっくんに食べてもらいたいからじゃない?」

「―――っ!?」

「あら?図星?」

「そ、その…このことは10代目には……」

「――内緒、ね。分かったわ。……それにしても、ツナは幸せものねー」

「――え?」

「こーんな可愛い子に、こんなにも想われてるんだから」

「か、可愛いって…その……」

「可愛いわよーもう。私があと10年若ければ絶対放っておかないわー」

「そんな、お母様は今でも十分お若いですよ!」

「あら!嬉しいこと言ってくれるのねー!!そうだ!獄寺くん今日はうちに泊まっていかない?」

「え?」

「うん、そうしましょう?ね、ね?」

「で、でもそんな、ご迷惑では……」

「何言ってるのよ!全然迷惑じゃないんだから!!ね?おばさんの一生のお願い!」

「お、お母様頭を上げて下さい!!分かりましたから!!」

「本当!?嬉しいわー!ありがとー!!」

「わーっ!?」

「二人ともさっきから何話して…ってちょっと母さん!何獄寺くんに抱きついてるのさ!!」

「あらツっくん。妬いてるの?」

「な…んなわけないだろ!!」

「そう。…そうだ。獄寺くん今日うちに泊まるからね?」

「……お邪魔します」

「あ、そうなんだ…急いで部屋片付けないと」

「その心配はないわよ?」

「え?」

「獄寺くんは私の部屋で一緒に寝るから」

「えぇーっ!?」

「お母様っ!?」

「うふふ、ツっくんに買ったけど大きすぎたパジャマが丁度あるのよ。きっと似合うわー」

「ちょ、勝手に話し進めんなよ!獄寺くんはオレの部屋に泊まるの!!」

「え……え?」

「あら…じゃあ、今からうちまで駆けっこで先にゴールした人の部屋に泊まるのよ?じゃあスタート!!」

「あ!母さんずるい!!」

「獄寺くんはゆっくり来ていいからねー!!」

「ちょっ……10代目…ってお母様速っ!!」


勝敗は如何に?


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世界は今日も平和。