獄寺くんの非・日常
3ページ/全5ージ
獄寺!大丈夫か!?
って、この手紙読んでるって事はそれなりに大丈夫なんだろうけどさ!
お前が事故に遭ったって聞いたときはマジでびびったぜ!でも、無事らしくて本当に良かった!!
お前のいない日常は味気無くて。お前のありがたみってものを改めて知ったよ。
いつも一緒にいたからな。隣にいるのがいつの間にか当たり前になっていて。
気が付くと、お前の居そうな所を探しているオレがいて。
……ハハ、馬鹿だよな。お前は今イタリアの病院に居るから、日本のどこにもいるわけないのに。
早く元気になって。そして戻って来いよな。
お前がいないと部活も勉強も身が入らないし、生きる気力も出てこないから。
―――と、勉強は前からか。
じゃあな獄寺!帰ってきたら特上の寿司握ってやるよ!!
山本武
「―――あの馬鹿。生きる気力って…」
「あ。それ本当だぞ」
「あ?」
「あいつ獄寺が事故に遭って生死の境彷徨ってるって聞いたとき、目が死んで屋上から飛び降りようとしたからな」
「………マジか?」
「ああ…オレたちが「どうせ死ぬなら獄寺が死んでから死んでくれ」と、どうにか説得したんだ」
「それはそれで…どうなんだ」
「まあまあ。二人とも無事で良かったということで」
「……………」
自分の復活は思わぬところで人命を助けたらしい。
帰ったらあいつの頭をはたいてやろうと思いながら、オレは差出人の名も見ずに次の手紙を開いた。
++++++++++
これは…この字は……
次
前
戻