並森中の日常
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「次は…英語か……」

「10代目英語は苦手ですか」

「うん、とりわけね…全く分からない」

「はいはーい!そんな時は沢田ちゃんこれだよ!!」

「…?ロンシャン、その本なに?」

「英語の参考書だよん。すっごい面白いよ!!」

「へー、てめぇも参考書なんて読むんだな」

「…あ、そうだ獄ちゃん、オレが今から英文読み上げるから、それを訳してみてよ!!」

「オレを試そうってか?へ、受けてやるぜ!」

「んじゃ行くよー、『The disaster happened artificially.』」

「んー…その大災害は人為的に起こされたものだった?」

「大正解〜☆さっすが獄ちゃん!!」

「このくらい軽いぜ」

「次行くよ〜『Power is justice, l am justice.』」

「は…?えっと、正義は力、オレが正義だ…?」

「ぴんぽんぴんぽ〜ん!すっごいなぁ獄ちゃん!」

「お…おう」

「さらに次ー!ちょっと長いよ?『57 meters tall and weighs 550 tons. This is the exact specification of the robot.』」

「……………」

「あれ?どったの獄ちゃん。分かんない?」

「いや、それ…文章間違ってねぇか?」

「んー…正しいはずだけど、どんな訳になったの?」

「えっと…そのロボットの正確なスペックは、身長57メートル、体重550トンだ」

「うわ、流石にそれは間違ってそうだよね」

「んにゃ。合ってるよん」

「いや間違ってるだろ!ちょっと見せてみろこの本!!」

「おりょ」

「………うわ、マジで書いてある」

「でしょー?」

「一体何なんだ、それ…」

「萌える英単語、略して『もえたん』だよん♪――あ、チャイム鳴っちった。んじゃねお二人方〜」

「……10代目」

「な、なに…?」

「日本って、奥が深いっすね…」

「う、うん…でもその深みにだけは間違っても入らないようにね」

「…?はい」


++++++++++

本当日本って…変な意味で奥が深いんだよねえ…