保父獄の日常 園長が帰ってくるまで編
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「〜♪」
「?獄寺先生、今日は随分とご機嫌だね」
「ああ、ツナ。だって今日は久々に園長先生が来るんだぜ?」
「……………ああ、そういえばそんな日だったね。今日は」
「?なんでそんなに嫌そうなんだ?」
(嫌だからだよ…)
「な、なぁツナ。オレ変じゃないかな?襟元とか曲がってね?」
「ああ、うん。大丈夫だと思うよ?心なしかいつもよりもお洒落に気合が入ってるんじゃないかと思うぐらいです」
「そうか…ああ、緊張するな…!もうどれくらい会ってなかったんだっけな…」
「先生、顔が乙女顔負けの恋する少女です」
「戻ったぞ」
「お帰りなさいませリボーンさん!!!」
「…獄寺。園内では園長と呼べと言っただろう」
「あ…すいません園長。でもオレ…貴方に逢えたのが嬉しくて、つい…」
「獄寺…」
「園長…」
「隼人先生、一応子供の前なんですからそういうのは止めた方が宜しいかと…」
「…情操教育上、良くない」
「骸…雲雀。―――悪い。オレは保父である前に、一人の人間なんだ」
((子供相手とは思えぬほど真面目な返答返されたー!!))
「隼人教官ー…おや。今日はまた随分とお綺麗でいらっしゃますなぁ」
「え…そうかな。園長に逢えると思ったら嬉しくって…つい張り切り過ぎちゃったかな」
「はっはっは。子供相手に惚気とは隼人教官もやりますなぁ」
「あ。獄寺先生と園長先生だー。ね。おままごとしよー。獄寺先生が私の旦那様で、園長先生が…」
「…クローム。…すまない。お前とはただの遊びだったんだ」
「あれ!?もしかして配役決める前にもう始まってる!?」
「むー。はーやーとー。オレ以外の奴と遊んじゃやだって…」
「ベル。…大丈夫だ。お前は独りでも生きていける」
「なんでオレだけそんな突き放すの!?」
「あー…みんな苦労してるねー」
「沢田。何一人傍観者決め込んでるのさ。隼人が…」
「無駄無駄。獄寺先生は園長に首っ丈だから」
「だからって…!」
「大丈夫。園長は長くここにはいない。暫くの我慢さ。園長が消えてからみんなで思いっきり甘えれば良い」
「………」
「獄寺。ここは園内で、お前は保父だ。自分の仕事に戻れ」
「でも…貴方はまた直ぐに遠くへ行ってしまうのでしょう…?」
「そんな切なそうな声を出すな。…安心しろ」
「え…?」
「仕事に一区切りを付けて来た。半月はここに居れる」
「それは本当ですか…!?」
「ああ。お前には随分と淋しい想いをさせてきたからな」
「リボーンさん…!オレ…嬉しいです!!」
「獄寺」
「あ、はい。―――すいません、園長」
「…だってよ沢田。どうする?」
「あちゃー…これは計算外だね。困ったな。オレあの園長苦手なのに」
「僕だって苦手だよ。…全く、隼人は僕のなのに…」
「クフフ。それは聞き捨てなりませんねぇ。彼は僕のです」
「違います。隼人教官は拙者にゲットされたのであります」
「んもー、男の子ってこれだから。獄寺先生は私と結婚するのー!」
「お前遊びだって言われてたろ」
「うるさーい!そういうベルだって…!」
「こらこらお前ら仲良くしなきゃ駄目だぞー♪」
「うわー、先生の満面の笑顔まっぶしー。オレ涙で滲んで先生の顔直視出来ないよー」
「隼人先生。ちゃんと保父としての仕事して下さいよ。子供を放ったらかしてはいけません」
「ああ、悪いな。…ああでも半月…!半月かぁ…半月もリボーンさんと一緒に…!」
「…駄目だ。この人あまりの嬉しさに人の話半分以上聞いてない」
「獄寺」
「はい!」
「今日は一緒に帰るか」
「え…あ……はい!!」
「…みんな。頑張って園長を追い出そう」
++++++++++
「リボーンさん!今日買い物しながら帰りましょう!おそろいの食器とか欲しいです!!」
「分かった分かった」
「…もう仕事中とか関係無しですか。獄寺先生」(ほろり)
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