マフィア戦隊ボンゴレンジャー 序章
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「だからさわんじゃねぇ!鬱陶しい!」
「まぁそう連れないこと言わないでさー、オレと良いことしよーよー」
変わらずボンゴレブルーにナンパをしているベルフェゴール。
しかしボンゴレブルーはあまりベルフェゴールのことは好きじゃないみたいです。
「…ベル。そんなに強引だと釣れるものも釣れないよ。だから最終的には拉致監禁になるんだよ」
傍から見るとまるで赤ん坊なマーモンがなんか凄いことを今言いました。
…最終的には拉致監禁?
屋台壊しとは比べ物にならないほどの悪行でした。
「て、てめぇ…!」
ボンゴレブルーの目が怒りに震えます。しかしその目がマーモンに移される・と。
「……………」
ちょっとボンゴレブルーは心ときめき動かされました。実はボンゴレブルーは可愛いものや小さなものが大好きだったのです。
(やばい…可愛い…かも)
ボンゴレブルーレーダーはきゅんきゅん回っていました。あと抱き締めたい数値も上がってました。
ボンゴレブルーがそんな魅惑に囚われかけた、そのとき!
ちゅどーんっ!!
いきなり爆発音が響き渡りました。これには流石のボンゴレブルーも正気に返ります。
「こ…この爆発音は…!?ていうか獄寺くんが敵にナンパされてる!」
「えぇ!?ご、獄寺氏!僕を置いて嫁いで行かないでください!!」
ボンゴレブルーのついでにボンゴレレッドとボンゴレグリーンも正気に返りました。
ていうか、この二人はそれまでずっと仲間割れしていたのでしょうか。それはそれで問題です。
「獄寺くんそいつから離れて!孕まされるよ!!」
「10代目!オレ男だから大丈夫です!!」
「いいから離れて!!」
ボンゴレレッドは少し錯乱していました。
しかし先程の爆発は一体誰が?
ボンゴレブルーがそう思ったときでした。
一瞬の隙を突きベルフェゴールがボンゴレブルーの肩を抱いてきたのです。
「…ああ、やっぱり綺麗だな。あんた…」
「な…、この、離れろ…!」
ボンゴレブルーが暴れますがしかしベルフェゴールには通用しません。
あわやボンゴレブルーはこのまま拉致監禁されてアブノーマルワイヤープレイでも強要されてしまうのか、そう誰かが思ったときでした。
カキーン!
遠くから何かが飛んできてベルフェゴールの顔面をストライクします。飛んできたそれは…トンファーでした。
「…キミたち。何群れてるの?」
トンファーを投げつけたのはボンゴレブラックでした。いつの間にかベルフェゴールからボンゴレブルーを略奪しています。
「雲雀…」
「キミも。なんでそういつもいつも無防備なのさ。僕だけにならともかく他の奴にもそんな姿晒さないでよ」
「な、オレがいつ無防備な姿なんて晒したんだよ!!」
「さっきキミが僕の名前を呼んだ時とかすごく無防備だったよ?ああ、自覚症状がないってのも罪だね」
ボンゴレブラックが呆れたように溜め息を付きます。しかしそんなことを言われてもそこがボンゴレブルーの魅力なのでした。
「ていうか雲雀さん一体いつまで獄寺くんの肩抱いてるんですか!?」
「そ、そうですそうです!僕だって獄寺氏に抱きつきたいです!!」
「はぁ?彼ひとり守れてないで一体どの口がものを言ってるのか。それに彼は僕の物だよ。だから僕の自由にして良いの」
ボンゴレンジャー、今日もやっぱりチームワークの欠片もないです。
一方その頃、ベルフェゴールとマーモンは、
「…ねぇ。今のうちに不意を打って倒せないかな?」
「お前馬鹿言うなって。あのブラックマジつえーんだって。オレパス一」
と言う会話をしながら早々と立ち去っていました。
流石は我らがボンゴレンジャー。自分達も知らないうちにヴァリアーを追い払っていました。
しかし。
「あーもー!だから獄寺くんとの下校権は同級生であるオレですね…!」
「何言ってるの?登校時は譲って上げてるんだから下校は僕が頂くよ」
「ううう…僕も獄寺氏と一緒に帰りた…が、ま…」
「あの、今一体何の話をしてるんですか?」
当事者であるボンゴレンジャーはそのことに全く気付いていなかった。
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やったねボンゴレンジャー!今日も世界の平和を守ったよ!!
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