マフィア戦隊ボンゴレンジャー 序章
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ボンゴレブルーは司令室と書かれた部屋の前に立ち止まり、体裁を整えていた。

髪、服、タイ、ボタン…良し大丈夫だ。目付きが悪いのは生まれつきなので勘弁願いたい。

「失礼します」

やや緊張した面持ちでボンゴレブルーは司令のいる部屋へと入った。


「獄寺か」

「はい、今回の任務の報告書をお持ちしました。…リボーンさん」

司令はボンゴレブルーから書類を受け取ると目を通す。それには今回のヴァリアー襲撃の件も書かれてあった。

「…東中央公園にてヴァリアー幹部のベルフェゴールとマーモンが祭りの屋台を破壊しているのを確認。これを撃破…」

正確には撃破というよりも、勝手に帰って行ったが正しいのだが報告書ではそうなった。

ついでに報告書のメモ欄には隊員の意見が書かれてあった。


―――ちょっとリボーン!獄寺くんがナンパされるは雲雀さんと一緒に帰っちゃうわで大変なんだけど!やっぱりオレとの同室許してよ!!

…何がどうやっぱりなのかさっぱり分からない上に、同室を許したらもっと大変なことになりそうだ


司令はボンゴレレッドの意見を無視した。


―――ううう…最近獄寺氏が一緒に帰ってくれない…

相談する所間違ってるし。ていうかしらねーし)


司令はボンゴレグリーンの意見を無視した。


―――ちょっと。あの子の制服をセーラーにしたいんだけど。

(どうでも良い)


司令はボンゴレブラックの意見を無視した。


ていうか、メモ欄が物凄くどうでもよく、かつボンゴレブルーにとって芳しくない意見しか書かれてなかった。

「…お前も大変だな」

「え?…いえ、これも並盛の平和の為ですから!」

どうやらボンゴレブルーはメモ欄は見ていないようだった。

かなりピントのずれた事を言ってるボンゴレブルーを適当に司令が受け流している・と…

どどどどどどどどど、と慌しい足音が聞こえてきました。


「―――獄寺くん!?」


血相を抱えてやってきたのはボンゴレレッドでした。

ていうか、司令室に来て司令以外を探しに来たのはボンゴレレッドが初めてでした。

「ど、どうしたんですか10代目!?まさか何か事件ですか!?」

「ううん!獄寺くんが五分経っても戻ってこなかったから心配になって!!」


ボンゴレレッド、基地でも変わらず暴走していました。


「10代目、心配しすぎです。ここは司令室ですよ?敵が攻めてくるわけないじゃないですか」

「で、でもさ…!何が起きるか分からないのが人生だよ!?オレ獄寺くんが心配で心配で!」

「大丈夫です!オレ一人でも何とか持ち堪えて見せますし、それにいざと言う時にはリボーンさんもいますから!!」

「それが一番心配なんだよ!もうリボーンと二人っきりになるなんてリボーンルートへの道が見えるよ!フラグなんてくそ喰らえだ!!


ボンゴレレッドはもう何を言っているのか自分でも分からなくなってきました。末期です。


「フラグ…旗?旗がどうしたんですか10代目」

「もう何でもいいから!リボーンへの報告は終わったんだよね!?じゃあもう行こう、三択が出る前に!!

ボンゴレレッド、恋愛シュミレーションゲームのやりすぎでしょうか。発言がオタクです。

「は…?三択…?よく分かりませんが…分かりました。ではリボーンさん、失礼しました」

「ああ」


司令が短く返答するとボンゴレレッドとボンゴレブルーは退室していきました。残されたのは司令のみ。

司令は静かになった室内で、再び報告書を読み出しました。

…東中央公園にてヴァリアーが襲撃…

(奴らの手もここまで伸びたか…こちらから先手を打つ必要性もあるかもな…)

司令はそんなことを考えながら、そういえば東中央公園って街の東にあるのかそれとも中央にあるのだろうかと少し頭を捻っていた。


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ちょっと抜けてるリボーンさん