マフィア戦隊ボンゴレンジャー 序章
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ボンゴレンジャーはいつでも並盛の平和を守れるように基地に待機しています。

もちろん寝るときも基地内です。みんなで同じ施設に泊まります。


「今日こそ獄寺くんと一緒に寝るー!」


そう言いながら基地の廊下を歩いているのはボンゴレレッド。

寝る時間になるとボンゴレレッドはいつもそう言いながらボンゴレブルーと添い遂げようとします。

運良く奇跡的に同室で眠ることが出来たとしてもそれ以上何も出来ないのに。ヘタレだから。


「…ご、獄寺くんー、起きてる?」


しかし先程の意気込みはどこへやら。ボンゴレレッドが極度の緊張のあまりボンゴレブルーの部屋の前で立ち往生してから早30分。

ボンゴレレッドはようやく意を決してそう言って、ドアを開けました。

するとそこには…


「………zzz」

「うーん…獄寺氏…」


なんとなんとボンゴレブルーのお隣には既にボンゴレグリーンが陣取っていました。

しかもボンゴレブルーの腰に手を巻いて擦り寄っています。中々やりおります。

とりあえずボンゴレレッドはボンゴレグリーンをボンゴレブルーから静かに速やかに引き剥がしました。

「うーん…さむ…って、あれ?ツナ?」

「おはようランボ。この野郎

ボンゴレレッドは笑顔でそう言いました。日本語として何かがおかしいですが気にしません。

「お前…一体誰に断って獄寺くんと一緒に眠ってるんだよ!」

「獄寺氏」

ボンゴレレッド、グリーンの一言に完全敗北でした。

何故敵ではなく味方相手にそんな気持ちを味わなければならないのかはわかりませんがとにかく完全敗北でした。

「ご、獄寺くんに?」

「はい、一緒に寝ていいですか?って聞いたら…」


「ん?別にいいけど」


「って…」

ボンゴレブルー、いつでも変わらず危機感皆無でした。

「うああああああ!良いなぁ…!今度オレも言ってみよう、登校中に」

とりあえずボンゴレレッドはそう決意をしました。たぶん言えませんが。

それはそれとしてボンゴレレッドがボンゴレグリーンを掴んだままベッドの中を見ると、そこには気持ち良さそうにすやすやと眠っているボンゴレブルー。


………じゅるり。


ボンゴレブルーはとてもとても美味しそうでした。

「いただきます」

手を合わせてそう言ったのは一体いつ着たのかボンゴレブラックでした。

「って雲雀さん!いただきますじゃないですよ!!」

「うるさいな。黙ってって言うか出て行ってよ」

「何我が物顔で言ってるんですか!ここは雲雀さんの部屋ではなく獄寺くんの部屋ですよ!!」

ボンゴレレッド。たまには真面目なことも言います。

ただボンゴレブラックがいなければボンゴレレッドが似たような行動を取ったであろうことが目に浮かびますが。


と、そのときでした。


ジリリリリリリリリリリリリリリ!!!


突如ボンゴレ基地内に高音が響き渡りました。

…それは緊急収集のサイレンでした。


「―――何事だ!?」

この音にはボンゴレブルーも目を覚ましました。

ボンゴレレッドの大声には起きませんでしたがサイレンでは起きるようです。

「急いで司令室に行かないと…ってあれ?ランボはともかく…10代目に雲雀?何でここに?」

目覚める前と比べて倍になった人口密度に首をかしげたボンゴレブルーでした。


++++++++++

危機感のないボンゴレブルー。