マフィア戦隊ボンゴレンジャー 序章
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「集まったか」
司令室へと集合したボンゴレンジャー。
何故かボンゴレレッドとボンゴレブラックが殺気立っていたりもしましたが、司令は無視しました。
「リボーンさん、緊急収集なんて…一体どうしたんですか!?」
「ああ。ヴァリアーの住処が分かったからな。これから潰しに行くぞ」
司令、戦隊物といえばヒーローは敵からの行動待ちだろうにまさかの先制攻撃宣言でした。
「リボーンさん、奴らのアジトが分かったんですか!?流石です!!」
「凄いやリボーン!いっつも基地で昼寝しているわけじゃないんだね!!」
「いつも基地で偉そうに指示しているだけじゃないんだね。まぁ当然の働きだけど」
なにやら悪意のあるような声も聞こえましたが気のせいということに司令はしました。
「作戦開始時刻は午前三時半…奴らの寝首を掻くぞ。お前らは個々、敵を陽動しろ」
「え…?陽動って、じゃあ誰が敵を討つんですか?」
ボンゴレブルーの疑問に司令直々が応える。
「…ザンザスには聞きたいことがあるからな…オレがこの手でやってやる」
「リボーンさん…」
思えば…ボンゴレブルーは司令の事を何も知らない。
街中の角で出会い頭にぶつかったという今時ベタ過ぎて逆に斬新な出会いを縁にボンゴレブルーはボンゴレンジャーに入った。
そして指令の出す命に従う…それがボンゴレブルーの日常だった。
司令は自らをリボーンと名乗る以外は何も語らない。ボンゴレンジャー設立の為の経費の出所。今よりも前の生活…過去。本当に、何もだ。
そんな司令が、敵の大将に聞きたいことがあるという。
一体なんなのだろうと気になりつつも、ボンゴレブルーは何も言えず。ただ胸の奥のきゅぅっとした気持ちに戸惑うばかりだった。
「…って獄寺くん!そんな乙女顔負けの表情しちゃ駄目!」
慌ててボンゴレレッドが二人の間に割って入っていた。
そうして司令が指定した時間。
ボンゴレンジャーはヴァリアーアジトの前に来ていた。
「…で、陽動をやれって言われたけど…具体的にはどうしようか」
「火でも放てば?」
「放火は普通に犯罪だから雲雀さん」
「って、みんな固まっていて良いんですか!?リボーンさんの行動がばれないようにあっちこっちで騒ぎを起こすべきでは!?」
「大丈夫だよ獄寺くん。たぶん獄寺くんがいるところにみんな集まるから」
「???」
「で、どうするのさ。彼がここにいても奴らが気付かないと意味がないよ」
「呼べば良いだろ」
言って、ボンゴレグリーンは玄関近くに備え付けられていたチャイムを鳴らした。
ピン・ポーン♪
軽やかな音が鳴った。
「はーい」
中からベルフェゴールが出てきた。
そうして外が騒がしくなってきたのを見計らいながら、司令はひとり行動に出ていた。
目指すは唯一つ。
…ヴァリアーのボス。ザンザスの場所。
リボーンがそこへと赴くと、ザンザスは既にそこに待っていた。
「…来たか。リボーン」
「ああ…待たせたようだな」
暗い部屋の真ん中に、漆黒の影が二つ立っていた―――
++++++++++
シリアス。
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