マフィア戦隊ボンゴレンジャー 序章
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こうしてヴァリアーはボンゴレンジャーの手により壊滅し…並盛に再び平和が訪れた。
まぁヴァリアーのアジトを見つけ出したのも実際手を下し討ったのも司令なのだが相してボンゴレンジャーの手柄だ。
「リボーンさん…お疲れ様でした」
「ああ」
所変わってここはボンゴレアジト内。
並盛を歩けばとりあえず何かしら騒ぎを起こしていたヴァリアーを倒したと言うことで簡単な祝杯が開かれていた。
といってもMVPの司令を労うのはボンゴレブルーのみで他のメンバーは好き勝手やっていたが。
「獄寺くんー、リボーンなんて構ってないで獄寺くんも飲もうよー!」
「10代目、オレたちはまだ未成年です」
「…キミも頭が固いね。もう少しぐらい柔軟性を持ってもいいんじゃない?」
「お前はもう少し常識をつけろや風紀委員長野郎」
「僕はいつでも自分の好きな年齢だよ?」
(言い切った…!)
「獄寺氏ー…これおもしろいですよー?世界が回ってるー…」
「だからそれは酒だー!ていうかのしかかるなー!!」
「………」
「―――あれ…?リボーンさん…?」
いつしか司令の影が消えているのにボンゴレブルーが気付いたのは、宴の終わりに差し掛かってからだった。
ボンゴレブルーは空に浮かんだ満月を窓から見ながら司令室へと歩いていた。
眠る前にあの声が聞きたかった。あの姿を見たかった。そう思っただけだった。
そうして司令室の近くまで歩いていく。…司令室の扉は開いていた。
…どういうことだろう。いつもは閉まっているのに。
獄寺がその扉の奥を覗こうとする…と。
「そこで何をしている」
司令の声が、静かに響いた。
その声から感じ取れたのは…明らかな不快感。
ボンゴレブルーは慌てて謝ろうと司令室に入ろうとする…が、それより前に。
「―――――失礼しました。…リボーンさん」
司令の前に現れたのは、見知らぬ少年。
「バジルか。…何をしに来た」
「何をしに…?お分かりでしょう。親方様の命に従い、貴方を連れ戻しに」
「お前に出来んのか?」
「手段を問わなければ」
バジルの即答。暫しの沈黙。そして。
「…まぁ、強引という手はあまり好きではないので今回は帰ります。…では、良き返事を期待しておりますゆえ…」
そしてバジルは闇へと消えた。
…その目が一瞬、様子を見ていたボンゴレブルーを捉えて。
―――妖艶に、笑った。
ボンゴレブルーの背にひやりとしたものが流れ、ボンゴレブルーは脱兎の如くそこから逃げ出した。
月明かりがいつしか消えている。雲にでも隠れてしまったのだろうか。
漆黒の闇の中、司令はボンゴレブルーが走っていった先を見つめながら…
「…ここは中々に居心地が良かったんだがな…ま、潮時か」
そうしてその翌日。
司令はボンゴレ基地から姿を消した。
++++++++++
続くシリアス。
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