マフィア戦隊ボンゴレンジャー 第二章
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「リボーンさん、あいつらを倒したのではなかったのですか!?」
「ああ、適当に麻酔打ってあとはあいつらが来た船に乗せてそのまま返した。今頃あいつ、大暴走してんじゃねーか?」
「お前…」
はぁ、と男は盛大に溜め息を付いた。恐らくこのように度々リボーンに手を焼かれてきたのだろう。哀愁が見えるし。
「………まぁ、暫くは9代目がどうにかしてくれるだろ…」
9代目、倒れたという割には元気そうだった。
「は、あのじじぃが死ぬってたまかよ。殺しても死なさそーなのに」
「…そうかい…あーもう、じゃあ予定を早めに切り上げてさっさと帰るぞ。ったく、もう一波乱ありそうだ…」
「………」
いつしかボンゴレブルーは会話に置いて行かれ、当事者達だけで会話が行われていた。
けれど…それは当然だ。
だってこれはリボーンの家庭の話なのだ。
…自分に…他人である自分なんかに口出しできることなど、何もない。
「じゃー仕方ねぇけど適当にひとり攫って帰るか」
…そう、例えこの星の人間をひとり攫われようとも自分には…って、ん?
「何の話だ?」
「なんだ?言ってなかったか?星の連中にはお前は花嫁探しに星を出たと説明してるんだ」
「待てやこら」
「なので、形だけでも花嫁がいないと困るわけなのでありますよ」
「何勝手なことしてるんだゴラ」
リボーン、勝手に星を出たツケが今帰ってきました。
「ま、そいつには悪いがこれも何かの縁と思ってもらうさ。じゃあ早速攫ってくるぞ」
「ちょ…待てよ!!」
男の前に立ちはだかるボンゴレブルー。事情は分かったがだからと言って人一人を連れ攫われるのをこのまま見過ごすわけには行かない。
「邪魔を致しますか。隼人殿」
「…ああ。この町の平和を守るのがボンゴレンジャーの仕事なんだ。…人攫いは阻止させてもらうぜ」
ボンゴレブルーが言い終わると同時に、ぴりりと刺すような空気が辺りに巻き起こる。
ボンゴレブルーでは目の前の二人には勝てないだろう。実力の違いというものをボンゴレブルーは肌で感じていた。
けれど…それでも引くわけには行かないのだ。
自分は並盛の平和を守る為に結成された組織の…ボンゴレンジャーの一員なのだから。
「…ふむ。ならばこうしてはどうでしょう。隼人殿がリボーンさんの花嫁になる」
獄寺はシリアスに格好よくびしっと決めたが、バジルに素でとんでもないことを言われて崩れた。
「は―――な、なななななななななぁ!?ななな、何を言って…!?」
流石のボンゴレブルーも赤面してうろたえている。リボーンも茫然としていた。
「どうせ花嫁といっても形だけです。我らも星に帰るため一刻を争えませんし…ここは一つ、隼人殿が犠牲になられては如何でしょう」
「い…いきなり、そんなこと言われても…」
「ちなみに少年。リボーンの生まれたてはこんな感じだぞー」
そう言って一枚の写真を取り出す男。ボンゴレブルーがそれを見ると、そこには黒スーツを着こなしたちったいかぁいらしい赤ん坊が鎮座していた。
ずっきゅーん!
小さいもの可愛いものだいすきなボンゴレブルーは即座にハートを打ち抜かれた。
「…もしもリボーンの子供が出来たら、きっとこんな感じなんだろうなぁ…」
「オレ…産みます!リボーンさんの子供!!」
「産めねぇよ」
「そして生まれたリボーンさんの子供をぎゅって抱っこしたいです!!」
「聞けよ人の話を」
リボーンは興奮気味なボンゴレブルーを冷たく見据えて…
「なんにしてもだ。獄寺は連れていかねーぞ」
「え…?」
「王位は継いでやる。だから…さっさと帰るぞ。家光。バジル」
ふいっとボンゴレブルーから身体を背けるリボーン。…それは拒絶の意思。
「リボーンさん…」
「獄寺。…話を聞いたら、一度ここから出ると言う約束だったな?」
「………っ」
冷たく言い放たれるリボーンの言葉に何も言うことが出来ないボンゴレブルー。
「ここで別れだ。獄寺。…もう会うこともあるまい」
「そんな…リボーンさん!」
ボンゴレブルーは出て行こうとはしなかったがリボーンに促された家光に捕まり外へと運び込まれてしまった。
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擦れ違いリボ獄。
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