マフィア戦隊ボンゴレンジャー 第二章
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家光がボンゴレブルーを連れて室内を出てから暫し経ってから。バジルは静かに口を開いた。
「…宜しかったのですか?」
「何の話だ?」
「別に拙者は、適当に隼人殿を花嫁に提案したわけではありませぬよ」
「………」
「初めてだったからです。楽しそうな貴方を見たのは」
「…くだらねぇな」
「そうですか?でもそれでも…拙者の目にはそう見えました」
「………」
「隼人殿が来て…初めて楽しそうな貴方を見ました。それは…我らが元いた国にいた頃からも含めてのことだったのですよ…?」
―――それから、暫くして。
「…あ!リボーンこの野郎やっと見つけたぞゴラァ!!!」
「ツナか。久しいな、何の用だ?」
「キミもよく言うよね…あの子がキミがいなくて元気がないから仕方なく迎えに着たんでしょ」
「そうか。それはご苦労だったな。雲雀」
「というわけでさっさと基地に戻るよリボーン!!」
「…ああ、ランボ。お前いたの」
「酷!」
「つーか、獄寺なら説得して帰らせたぞ。どこかで会わなかったか?」
ボンゴレブルーを退室させてからボンゴレレッドたちがリボーンの所に来るまでにかなりの間があった。
どこかで出会っていてもおかしくはないのだが…
「え…?会ってないけど…って、ということは今獄寺くんひとり!?」
なんてことだとボンゴレレッドは即座に携帯を取り出す。彼は一人にしてはいけないのだ。
「………繋がらない」
いやな汗がたらりと流れる。ボンゴレブルーには携帯を決して切らないようにときつく言いつけてあるのに。
「ど、どどどどうしよう…!獄寺くんが…!!」
「取り乱すんじゃねぇ、鬱陶しい」
「な…何言ってるんだよリボーン!獄寺くんがひとりで、しかも連絡が取れないんだよ!?」
それは由々しきことなんだとボンゴレレッドは力説する。
黙っていても不埒な輩から犯罪者やらトラブルを引き寄せるボンゴレブルー。
今まではボンゴレンジャーの誰かが傍についていたからこそ何とか対応できていたのに…それなのに今彼は一人。
「もー!獄寺くんになにかあったら全部リボーンのせいなんだからね!!この野郎どう責任取ってくれるのさ!!」
「…分かった分かった。獄寺の居場所だな。調べてやるからそう睨むな」
リボーンはそう言うと腕に付けてた時計に手をかけて何か操作し始める。
ツナがそれを覗き込んで見ると、そこには時計の表示ではなくてなにやら無数の光の点滅が見て取れた。
「…ボンゴレ基地とは真逆の方角にいるな…確かに何かしらの事件に巻き込まれているようだ」
「リボーン…なんで獄寺くんの居場所がそう簡単に分かるの…?」
「ん?そりゃお前、獄寺に発信機を取り付けていたからな」
「なにやってんの」
ボンゴレレッドの的確かつもっともな突っ込みにもリボーンは怯まず無視し立ち上がる。
「ま、確かに獄寺を一人で帰したオレにも責任はあるかもな。仕方ねぇからオレも手伝ってやるよ」
「ちょ…待てよリボーン!」
ひとり素早く歩きだすリボーンに、他の隊員も着いていく。
室内に独り残されたバジルは、みんなの出て行ったドアを見ながら…
「やはり…貴方様は隼人殿が絡むと途端に生き生きし始めておいでです。そのことに貴方は…気付いておられるのですか?リボーンさん…」
そう言って、自分もまたそのドアから姿を消した。
一方。ボンゴレブルーは一体どこにいるのかというと。
「………んん…」
「クフフフフフフフ。今回も出番がないんじゃないかと冷や冷やしましたよ」
「骸様…そういう内輪ネタはちょっと…」
「まぁそう言わず。…ところで彼の様子はどうですか?」
「あ…はい、大人しく眠っています。暫くは目を覚まさないかと」
「そうですか…クフフ、隼人くんがこの手に入る日が来るなんてまるで夢見たいですねー」
「珍しくひとりで歩いていましたね…しかもなにやら思い詰めたような顔をして」
「あの顔はそそりましたねー」
「………では、手早く黒曜ランドに持ち帰りましょうか」
「……んん―――リボーン、さん…」
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骸とクロームさん。
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