マフィア戦隊ボンゴレンジャー 第二章
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ホテル内に入ったボンゴレンジャーを待ち構えていたのは受付嬢のチェルベッロだった。
「申し訳御座いませんが現在このホテルは全て貸し切られております。またのご利用をお待ちしております」
「全て貸切りって…このホテル丸ごと…!?」
すざましい経済力だった。個人の力で成り立つのだろうか?何か組織的な物も関与している気がする。
「そういうわけですので、お帰り下さい」
チェルベッロ、接客する気ゼロだった。
「あ…待てよ!ここにリボーンさんって人がいるだろ!?」
ボンゴレブルーの声に無表情だったチェルベッロがぴくりと反応を返す。
「…確かに。リボーン氏はこのホテル内にいますが」
「良かった…オレたちはリボーンさんの知り合いで…ずっとリボーンさんを探していたんだ。だから…」
会わせてくれ。そう言おうとしたボンゴレブルーにしかしチェルベッロは無下に言葉を滑らせる。
「なりません」
「…っ!?」
「リボーン氏は現在面会禁止です。何人ともそれを破ることは出来ません」
「そんな…まさかリボーンさん、どこか具合でも悪いのか!?」
「いえ、毎日ご飯を三杯食べるぐらい健康状態です」
なんだか無駄に元気そうな情報が入ってきた。
しかしボンゴレブルーはどこか憂い顔だ。
「リボーンさん…いつもなら山盛りご飯を五杯は食べてるのに…」
「リボーンってそんな大食漢キャラだったっけ…?」
いつしかそういうことになっていた。
「でも…ならどうしてリボーンと会えないのさ」
「それをお教えする必要はありません」
ボンゴレレッドの問いにチェルベッロは無感情に返す。
その口調、その態度に…ちょっとボンゴレレッドはきれた。
「へぇ…必要ないって、それはどうしてさ」
「貴方方には何の関係もないからです」
ボンゴレレッドの微妙な表情の変化に気付いるのかいないのか、チェルベッロはやはり無表情に淡々と返す。
チェルベッロの言葉にボンゴレレッドは笑うばかりだ。…ただし目は笑ってはいなかったが。
「………オレさ。リボーンを探すのは獄寺くんの為だけって思ってたんだけど…今からちょっと改めるね」
「…じ、10代目…?」
少し冷えたボンゴレレッドの声。ボンゴレブルーの前にボンゴレレッドがいるのでボンゴレブルーにはボンゴレレッドの表情が見えない。
それが更にボンゴレブルーの不安を煽っていた。
「―――こんな礼儀知らずな奴らの鼻を明かせるなら、少しはリボーン探し。真面目にやっても…いいかもねっ」
その言葉が終わると同時に、ボンゴレレッドを中心に巻き起こる白い煙。
「っ、煙幕!?」
その通りだった。
「みんな散って!この建物内にリボーンがいることが分かったんだ。…どうせだからこのまま見つけて、引き摺ってでも連れて帰るよ!!」
ボンゴレレッドの言葉にまるで打ち合わせをしていたかのように飛び散るボンゴレンジャー。
そんな中、ボンゴレブルーもまた階上への階段へと走って行った。
全てはボンゴレンジャー司令官を見つける為に…
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流石のツナ。
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