マフィア戦隊ボンゴレンジャー 第二章
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ボンゴレブルーはひとり、ホテル内を走り回っていた。
部屋を見つけてはそれを開け放っていく作業を繰り返していく。
しかし…こうして探し回ってみて分かったのだが、このホテル内には人がいない。
それは今のボンゴレブルーの立場としてはありがたいことだったが、しかし逆に不気味にすら思えることだった。
誰もいない、見当たらない無人のホテル。
この中に本当に自分の探している人はいるのだろうか。探せば探すほど不安になってくる。
そしてボンゴレブルーはそんな不安とも戦いながらも階上へと上がって行き司令を探していった。
けれど見つからない。人っ子一人見当たらない。
不安と、焦りと。そして階段を登り廊下を走り回ったことに対する疲れ。更に追っ手がいるかもと思う気疲れもありボンゴレブルーは少しふらついていた。
そんなときだった。
「…やべっ」
慌てて廊下を走り抜けようとしていたボンゴレブルーは思わず立ち止まり、曲がり角の壁に隠れた。
ボンゴレブルーの視線の先にいたのは…あのバジルという少年。
司令官がボンゴレ基地から姿を消す前に、話していた相手だった。
一階の受付のチェルベッロ以外で初めて見つけたホテル内の人間。
人がいたんだという安堵感と、そしてよりにもよって…という焦りがボンゴレブルーを包み込む。
バジルがどこかへ行ってくれることを念じながら物陰で危機を過ごそうとしていたボンゴレブルー。しかし。
「………」
バジルはボンゴレブルーがいる方向へと歩いてきた。
このままだと見つかってしまう。
(…くそっ)
ここで見つかり騒ぎになっては面倒だ。それにボンゴレブルーは正直彼が苦手だった。
来た道を引き返すも続く道は真っ直ぐで。このままだと隠れる間もなく見つかるのは明白だろう。
どうする。どうすれば…ボンゴレブルーがそう思い悩んだ時背後の扉が急に開いてボンゴレブルーを有無を言わせぬ力で引き寄せた。
「!?」
ボンゴレブルーは抵抗する間もなく扉の中へと連れ込まれてしまった。
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ザ・お約束。
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