マフィア戦隊ボンゴレンジャー 第二章
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…おや?こちらの方向にねずみが紛れ込んでいると思いましたが…ふむ。

―――コンコン、

…なんだ。

ご休息中の所失礼致します。何か変わったことなどなかったでしょうか?

知らんな。別にいつも通りだ。

そうですか。

何かあったのか?

ええ、可愛らしいねずみさんが数匹。そこらを走り回っているようなので見つけ出そうかと。

そうか。…やっぱり知らんな。それにねずみがどこをうろついていようとオレには関係のないことだ。

ごもっとも。…では拙者はこれにて。失礼致しました。

ああ。


「………あの」

「なんだ獄寺」

「た、助けて下さって…その、」

「気にするな。それほどのことはしてない」

「…はい」


ボンゴレブルーが引き摺り寄せられた室内。

その中にはずっとずっと捜し求めていた司令官の姿があった。

彼は別れる前と寸分変わらず元気そうで。その事実は今まで張り詰めていた緊張を強いられていたボンゴレブルーを安心させるには充分で。

「それにしてもお前、何でこんな所にいるんだ?」

「え…あ、それは…」

しどろもどろに、けれど必死に言葉を紡ごうとするボンゴレブルーに司令官は一つ閃いた。

「もしかしてお前…」

「はい?」

「もう手紙の返事を取りに来たのか?まだ目を通しただけだぞ


司令官、かなり着眼点のピントがずれていた。


「い、いえ…いやそれはそれで欲しいですけど、そうではなくて…!」

「違うのか?なら何故、何の為にここまで来た」

「それは…」

真っ直ぐに司令官に見つめられながら問い掛けられ、ボンゴレブルーは暫し言葉に詰まったがやがて意を決したように…

「貴方に…リボーンさんに会いに…です」

「獄寺…」

ずっとずっと会いたかったのだと、話を聞きたかったのだとボンゴレブルーは司令官に告げた。

「…オレとお前はもう敵だと。そう言っただろう」

「オレは納得していません」


引く様子のないボンゴレブルーに、司令官は溜め息を一つ付いて。そして…やがてぽつりぽつりと語り始めた。


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リボーンさんの口癖は「気にするな」