マフィア戦隊ボンゴレンジャー 最終章
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「ぁ…?」
「気付いたか」
「え…あ、リボーン、さん…?」
ボンゴレブルーが目を覚ますと、直ぐ間近にリボーンの姿があった。
…あのあと。
青いパイナポーが赤いパイナポーになってきたところで延々と遠くから傍観を決め込んでいたクロームが入り込んできた。
「…その辺で許してもう許して頂けますか?」
「え?なに?誰?」
「そこの紫気味なパイナップルの従者です」
骸、従者が居る割には慕われてないようだった。
「…まだ僕たちの気は収まってないんだけど」
「そうですか…そこまで言うなら止めませんけど………」
「けど、なんだ?」
「うつりますよ?」
・・・・・・・・・。
何が。とは聞けなかった。
暫しの沈黙のあと。ボンゴレンジャーと司令は骸から離れた。
クロームはぺこりと一礼をして。
「それでは皆様、ご迷惑をおかけしました」
と言っては主であるはずの骸の首根っこを掴みずるずると引き摺りながら去っていったのだった。
「…リボーンさん…なんで…。というか、ここは…一体?」
「何も覚えてないのか?」
「無性に頭が痛いです」
「そうか。なら無理して思い出そうとするな」
「?はい」
こうしてボンゴレブルーの中でこのときの出来事は闇の中へと放り込まれた。
「ってリボーンさん…どうしてあなたが…ここに?」
もう会うことはないと。そう目の前の人は言ったのだ。なのに…
「…ああ、お前をひとりにしておくと危なっかしいってことをすっかり忘れていてな」
「な…オレは子供じゃないんです!ひとりで平気です!!」
実際は全然平気ではなかったのだがそれはボンゴレブルーのみが知らない事実。誰もが密かに溜め息を吐いた。
と、そのとき背後から巨漢の男が現れて。
「…リボーン。こんな所にいたのか」
「家光か。なんだお前まだ国に帰ってなかったのか」
「お前を連れ戻すのが任務だっつーに!!」
「そんなことよりもリボーンさん、手早く素早く国に帰らなくてはならなくなりました」
「そんなことって言ったかお前。オレとリボーンのコミュニケーションをそんなことっつったかお前」
「どうしたバジル」
「無視かよ」
家光は少し淋しそうだった。
「先程本国連絡がありまして、リボーンさんが花嫁探しに星を出たのではないことがばれました」
「そうか。だがそれぐらいで帰る理由にはならんだろう」
「ザンザス殿が「リボーンが某惑星で変な部隊を立ち上げ、無理矢理結成した部員たちと毎日あんなことやこんな事を…」とか言いふらしているそうですが」
「そうか。よし、ぶちのめしに行くぞ」
リボーン、完璧に自分主義だった。
「オレは部員と遊んだりしてねー。むしろ毎日ひとりで寝てる。訂正しに行くぞ」
「そんな理由で帰るのかよ!!」
帰るらしい。
「…まぁ良いか。よしバジル。リボーンの気が変わらないうちに帰るぞ。他の部員にも連絡を入れておけ」
「既に入れておりますよ。あとは親方様が荷物をまとめるだけです」
「なんかお前オレに対してだけ冷たくねぇ!?」
そんなことを言いながらあっさりと…本当にあっさりと。リボーンは元の星へと帰って行ってしまった。
++++++++++
ボンゴレンジャー唖然。
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