声の出ない獄寺くん
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獄寺くんがイタリアに飛んでる間は、本当に静かでつまらない。
一体いつ帰ってくるのだろう。指折り数えて待つのにも疲れてしまった。
ただでさえそんな退屈な日々なのに、更に面白くないことが起きてしまった。
「じゃ、行ってくるぞ」
リボーンもまた、イタリアに飛ぶという。
…オレは日本に留守番だというのに。
オレも獄寺くんに会いたいのに!
オレは不貞腐れた顔でリボーンを見送った。リボーンはいつもの笑みを浮かべていた。
リボーンと獄寺くんは恋人同士だ。年の差、性別の壁なんてものはマフィアともなると軽々と飛び越えれるらしい。それとも単にあの二人が特殊なだけか。
それはともかく、二人とオレはなんだかんだで一緒にいる場合が多いから…そのときは思いっきり二人の仲を邪魔をするというのに。今回ばかりはそれも出来そうにない。
あああもう悔しい。いつか出し抜いてやる。リボーンを出し抜いてやる。
と、心に誓いながら部屋に戻ろうと玄関へと回れ右したとき郵便物が届いた。
せっかくなので持っていこうと中を見てみる。オレ宛の手紙が一通。
獄寺くんからだった。
リボーンはもういない。さっさと空港へと行ってしまった。獄寺くんと入れ違いだ。
ラッキー。と思った。オレ自身の力は全然関係ないけど、どことなくリボーンを出し抜いた気分だった。
オレはうきうきしながら手紙を取り出す。一体何が書いてあるんだろう?
手紙の一文を見て、オレは絶句した。
鏡に映ったオレの顔が、若干青褪めていたように見えたのはきっと気のせいじゃない。
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え?それはつまりどういうこと?
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