声の出ない獄寺くん
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「あら。外出なんて珍しいわね隼人」
部屋から出たら、姉貴とばったり会った。眼鏡を装着していたので助かった。
「シャマルのとこに行くんだ」
オレの代わりにリボーンさんが答えてくれる。オレはこくこくと頷いた。
「あら………そう」
姉貴はオレとリボーンさんを交互に見て、
「…妬けるわ」
笑顔でそう言って去って行った。
…あれは結構本気で怒ってるな…
「ビアンキの奴、どうしたんだ?」
さぁ…
とりあえずそう言っておいた。
「おー、隼人か。お前から来るとは珍しいな」
うるさい。余計なこと言うな。
口を尖らせてそっぽを向くと胸の中のリボーンさんはちょっと怪訝そうな顔をした。
「いつもは違うのか」
「いつもはオレから行くよ。それに……ってコラ隼人そう睨むな。分かった黙るよ」
「?」
それになんなんだ、という視線を感じるが…すいませんリボーンさん恥ずかしいので心読まないで下さい。と思うとリボーンさんはまたため息を吐いた。
「まぁ、その辺は追々な。それよりも検査の結果だが…隼人」
シャマルが頭を掻きながら言ってくる。シャマルの癖だ。シャマルがこの癖を出すときは決まって―――
「悪い結果だ」
びくり。と身体が震えた。
思わずリボーンさんをぎゅっと抱きしめてしまったが、リボーンさんは息苦しくなかっただろうか。
なんて、そんな少し場違いなことが頭を過ぎった。
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苦しかったらごめんなさい。
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