リボ獄がくっつくまで
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そんな夢を見た。
「……………」
楽しい、夢だった。
幸せな、夢だった。
オレはあの人が大好きで。
実はあの人も……同じ気持ちでいてくれて。
周りが協力してくれて…オレたちは近付けて。
些細なことでとても幸せな気持ちになれて。
もっと些細なことで気持ちが沈んだりして。
周りから見てみればくだらないことで真剣に悩んだり、相談したりして。
そうやって遠回りしながら、四苦八苦しながら。それでも少しずつ近付いていって………
…………………………。
そんな、夢。
楽しい、夢。
幸せな………夢。
ずっとずっと昔にあった、そんな夢。
オレは寝ぼけ眼のままふと隣に目をやって。
…微笑んで。とりあえず携帯を手に取った。
ピリリリリリリリリッピリリリリリリリリッ
「もしもし獄寺くん?何?定期連絡にはまだ時間が……」
『10代目…聞いて下さいよ、リボーンさんの寝顔が素敵なんですけど…!!!』
「獄寺くん、仕事と関係ない話なら切るからね」
ピッ
「ふぅ…」
ピリリリリリリリリッピリリリリリリリリッ
「………もしもし獄寺くん?何?」
『10代目、いきなり切るだなんて酷いじゃないですか』
「徹夜仕事明けのモーニングコールがあれってのもかなり酷いと思うけど」
『お疲れ様です!ってぐあ…じ、10代目…今、今…リボーンさんが寝返りを打ちまして、ですね……か…可愛い可愛い可愛い…』
「獄寺くん、リボーンに悶えてるだけなら切るからね」
ピッ
(もう電源ごと切っとこう…)
(それにしても……)
(もう、あれから10年、か………)
「…獄寺か?」
「あ…すいませんリボーンさん、起こしてしまいましたか?」
「いや、構わん…」
「……………」
「…ん?どうしたんだ獄寺。人の顔をじっと見て」
「いえ…リボーンさん、いつ見ても格好良いなって……」
「…!?」
「リボーンさん」
「な…なんだ?」
「これからも、よろしくお願いしますね」
「…もしもしリボーン!?どうしたの!?」
『ツナ!獄寺が…獄寺が可愛くて眩しくて直視出来ないんだが!!オレどうすれば良い!?』
「緊急用の番号使って言ってくる台詞がそれかよ」
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緊急事態だったらしい。
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