『何か』を失ったリボor獄
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『耳』を失った『獄寺』


そりゃあ、扱っている武器を考えれば。

この日が来ることなんて、火を見るよりも明らかで。

なのに何の対策も施していなかったということは。

それはつまり、必然で。


大丈夫だと思っていた。

平気だと信じていた。

何も聞こえなくなるぐらい、なんでもないと。


だけど。


あの人の声が届かないことが、こんなにも切ないことだとは今まで知らなくて。

不覚にも泣きそうになると、あの人がぐいっとオレを引っ張って。自分の胸に押し当ててくれて。

すると感じる、あの人のあたたかさと鼓動。


こぼれた涙は、けれど先ほど流しかけた冷たい涙とは全然違うあたたかさを持っていた。


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落ち着く気持ち。