もし獄寺くんがヴァリアーに拾われていたら
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「そんなわけでゴーラ・モスカも完成したし、近々日本に乗り込んで子供ぶっ殺してオレがボンゴレ10代目になるから」
作戦概要の書かれたホワイトボードを指し棒で叩きながら、物凄くアバウトな説明がヴァリアーボスたるザンザスの口から発せられていた。
なお、いつもならこういった任務の説明をしたり作戦を立てるのはスクアーロの役目なのだが…最近はザンザスがしている。
もっと厳密に言えば、獄寺の前でだけしている。
「恐らく同じ属性の奴と戦うことになる。で、嵐戦だが……獄寺。行くか?」
「お…オレ!?」
「えー!オレがやりたいー!!」
「我慢しろベル。ボスの決定だ」
「ちぇーっ」
「やったわね獄ちゃん。頑張って!!」
「お…おう!!オレはやるぜ!!」
「いい意気だ。ちなみに対戦相手だが……ほお。オレも知ってる名だな。毒蠍のビアンキだと」
「ベル!パスだ!!」
「どうしたの獄ちゃん!?」
「んー…オレのことをお兄ちゃんって呼んで、愛の告白したら代わってやる」
「ベルお兄ちゃん大好き!!結婚して!!」
「躊躇いが全くないわ!?」
「どれだけ嫌なんだよお前!!」
「……ベル」
「な…なんだよボス。そんな怖い顔…はいつものことだけど、怖い顔して」
「隼人との結婚は…許さん!!」
「本気にするなよ!!」
「…ん?どうした獄寺。そんなに震えて」
「顔色も悪いぞ」
「も…ほんと……駄目なんだよオレ、姉貴だけは…ほんと……」
「まあお姉さまなの!?ご挨拶しなくちゃね♪」
「挨拶もいいが、今は獄寺だろ…おい、大丈夫か?」
「スクアーロ…」
昔のトラウマを思い出したのか、獄寺は涙目で、スクアーロを見上げる。そして抱きつく。
「お…おお!?」
「あー!スクアーロてめー役得か!!今すぐオレと代われ!!」
「抱きつくならガタイがいいほうがいいだろう。どれ、ここはオレが…」
「違う違う。みんな全然分かってないよね。安心したいなら小さくて丸っこいのを抱きしめる方がいいんだよ」
言いながら、さりげなく獄寺の近くまでトコトコと歩み寄るマーモン。
「まったく、本当にしょうがないね。獄寺。どうしてもっていうんなら、僕を抱きしめてもいいんだよ?」
「あんた本当素直じゃないわね…」
「………おい、カス鮫」
「あ?」
スクアーロがザンザスを見ると同時、拳が顔面に叩きつけられスクアーロは…飛んだ。
壁をぶち破り、その向こうまで吹っ飛び、視界から消える。
「きゃぁあああああ!!そこの壁紙気に入ってたのに!!」
「隼人に気に入られてんじゃねえ。殺すぞ」
理不尽な制裁。阿鼻叫喚な悲鳴。
これにより会議は大幅に送れ、ヴァリアーの日本入りもまたかなり遅れたという。
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獄寺くんがボンゴレ入りしなかったら恐らくビアンキねーさんが嵐の守護者になると予想。
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