もし獄寺くんがヴァリアーに拾われていたら
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そうして、ヴァリアーは日本の地へと足を踏み入れる。
「…とうとう…ここまで来ちまったか……」
「獄ちゃんファイト!腹を括りなさい!!」
「お…おお!」
対面するはボンゴレファミリー。その殆どは獄寺と同じくらいの少年。
…その中に。
「………隼人?」
「…姉貴……」
その声を聞くだけで、獄寺の調子が悪くなる。
「…ビアンキ?知ってるの?」
「…私の弟よ」
「弟!?」
驚く声が聞こえる。続いて、見られる視線。色々相まって、気持ち悪い。
「え…?ちょ、なんか……すごく、綺麗なんだけど」
ん?
「極限に麗しいぞ!!」
なんか反応が…
「あんな美人と戦わなくちゃならないなんて、世知辛いのなー」
おかしい…ような。
「…こらお前ら!!オレの隼人をジロジロ見るんじゃねえ!!」
すっかり過保護に目覚めたベルが獄寺を抱き寄せ、その身で周りの視線から隠す。
「あ、いいなー」
「オレも極限抱きしめたいぞ!!」
「ビアンキ…本当に弟?妹さんじゃなくて?」
「何?あんた私の隼人を狙ってるの?殺すわよ?」
あの女本当怖ぇなあ!!
恐怖が増大する獄寺の耳に、懐かしい声が入ってきた。
「な…隼人?」
「…?シャマル…?」
ベルの肩から顔を覗かせれば、そこには呆けた表情の…懐かしき医者、Dr.シャマル。
「お…おいお前ら!!オレの隼人をどう誑かしてくれやがったんだこらあ!!」
「なんだ…?獄寺。あのおっさんと知り合いか?」
「昔の…知り合いだ」
「あらやだアタシ知ってるわあ。あれ伝説の殺し屋のシャマルじゃない。ヴァリアーにスカウトされたのに、蹴ったのよ」
「顔が広いんだね。獄寺」
「………」
「隼人!!そんなところにいるんじゃねぇ危なっかしい!!今からでも遅くねえ、こっちに来るんだ!!」
「そうよ!!愛し合ってる姉弟で戦うなんて間違ってるわ!!お願い隼人、こっちに来て!!」
まず愛し合ってねぇー!!
相変わらず話の通じない姉に、獄寺はげんなりした。
「そうだよ!ヴァリアーって殺し屋の集団なんでしょ!?危ないよ!!そんなところにいないでビアンキの弟さん、ボンゴレに来なよ!!」
「いや、その点に置いては大丈夫だ。隼人の殺しスキルは高い。オレが教えたからな」
「なんてことしてくれやがったんだシャマル!!」
「そもそもボンゴレでも殺しはするけどな」
「黙ってろリボーン!!」
「ん?…おお。あそこにいるのはアルコバレーノの一人か。マーモン。仲間がいるぜ?」
「ふん」
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