獄寺くんの日常 秋編
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「それで秋とは。一体なにをするのですか?」

「んー…特に何をするって訳じゃないけど。何でも出来るのが秋だし」


それこそ本を読むだけで。少し身体を動かすだけで。何かものを食べるだけで。それだけで何とかの秋となるし。

まぁオレは…今日は獄寺くんとずっと一緒にいるから獄寺くんの秋って所かな?


「10代目。なんでそんなに引っ付いてるんですか?」

「ん…引っ付きたいから。迷惑?」

「そういうわけでは…でもオレに引っ付くのがそんなに楽しいのですか?」

「もう楽しい。これだけのために生きてるって感じ」


大真面目に返答するオレに獄寺くんは冗談かと思ったのか笑ってる。

…むぅ。オレは本気なのに。これ以上なく真面目なのに。


「なんでそう笑って済ましちゃうかな…そんなにオレが言ってることは信じられない?」

頬をすり付けながら言うと獄寺くんは困ったように笑いながら。

「信じられないって言うか…オレなんかにそう思う人がいるなんて…って…」

獄寺くんの台詞は途中で途切れる。


…オレが、押し倒したから。


「じゅ…」

「…獄寺くん。今の獄寺くんの言葉にはちょっと怒っちゃったかな」

「?」

獄寺くんは突然のことに着いて行けてないようで。ただオレを見上げてる。


「駄目だよ獄寺くん」

オレが選んだキミが。オレが大好きなキミが。

「"オレなんか"なんて。もう二度と言っちゃ駄目なんだからね?」


オレはまだ着いて行けてないような獄寺くんの肩を押さえつけたまま。

半ば強引に。何か言おうとしていた獄寺くんの唇を奪った。


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今日のオレは情熱的。