獄寺くんの日常 秋編
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オレのちょっと強引な押しで少し大人しくなった獄寺くんと部屋にいたら、突然窓から風が入ってきて。

その風は思ったよりも冷たくて。長袖の上着を着ている獄寺くんが少し震えていた。


「あ、獄寺くん大丈夫?窓閉めようか?」

「あ…すいません10代目。…最近冷えてきましたよね…」


ふるふると身を震わせる獄寺くんはなんだか見ていて可愛くて。窓を閉めるとオレは直ぐにまた獄寺くんに抱きつく。


「…10代目?10代目も寒いのですか?」

獄寺くんがちょっと見当違いなことを言ってくる。そんなところもまた大好きで。


「んー?んー…そうだね。ちょっと寒いかなぁ」

だから温めて?と目で訴えてみると獄寺くんは笑って。…立ち上がった。

「?獄寺くん?」

「10代目寒いでしょ…?毛布、持ってきますね」

そう言ってすたすたと階下へと下りて行ってしまった獄寺くん。

いや、ていうか。待って。


「オレ…獄寺くんに温めてもらおうと。思ったのに…」

台詞だけだとちょっと変態ちっくだけど気にしない。ここにはオレと獄寺くんしかいないし。

まぁいいやと。オレは獄寺くんを待つ。

戻ってきたら思いっきり。またぎゅっと抱きつくから。


「だから早く戻ってきてね?獄寺くん」


…のちに。

戻ってきた獄寺くんが毛布どころか湯たんぽとかカイロとか温かい飲み物とかも持ってきて。

その上で獄寺くんに抱きついちゃったものだから今度は滅茶苦茶暑くなっちゃって。

それでもなんだか意地で。獄寺くんから離れなかったのは…まぁ、内緒の話。


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でもいいよね。若気の至りとか、なんとかそんな感じで。